天正10年6月2日。
そう、明日の早朝は、あの『本能寺の変』があった日や。
天下統一を目前にしていた織田信長は、謀反を起こした明智光秀に討ち取られた。
その史実を変えることができたら、時空の歪みが生じて俺は現代に戻れるかも知れん。
そうとう無茶な理屈やけど、他にアテは無いからな。
これは一世一代の賭けや……。
《スポンサーリンク》
1.6月1日、亥の刻(午後10時)
俺は急いで京へ上った。
そして、あの伝説の人物に謁見を申し入れた。
そちは『蛇阿久(だあく)』と申したか?
こんな夜更けに……余に用向きとは何じゃ。
恐れながら信長様……。
あの明智光秀が、密かに謀反を企てており申し候。
なにいっ?!
光秀が謀反など有り得んわ。貴様、戯れ言をぬかすな!
まっ、真でございます! これは歴史上の事実にて……。
上様、一旦ここを離れ、態勢を整えてから反撃のご準備を!
このうつけ者めが、控えい!!
おい、とっとと此奴をつまみ出せ!!!
ははぁ!
くっ……💧
やっぱり信用してもらえんかったか。
さあ、どうしたもんか……。
2.6月2日、寅の刻(午前4時)
敵は本能寺にあり!!
突撃~~!!!
夜襲か?!
如何なる者の企てじゃ!!
あ、明智の軍勢です!!
何と、光秀が?!!
くっ……是非に及ばず……。
信長様~!
こちらでございます!!
だっ、蛇阿久か?!
おぬし、何ゆえ光秀の謀反のことを?
問答は後ほど。さぁ、急いで!!
3.褒美
ふぅ、何とか逃げおおせたか💦
事前に逃げ道を確保しといて良かったわ。
そちのお陰で命拾いした。かたじけない。
蛇阿久よ、大儀であった……。
……。
あかん。俺の存在も風前の灯か……。
……どうじゃ、蛇阿久。余の家来にならぬか?
これは褒美じゃ。受け取るがよい。
むぅ……家来でござるか……。
よし、どうせ元の時代に戻られへんのやったら、ここで立身出世を目指すか。
それはそれで、おもろい人生かも知れんな……。
……有り難き幸せ。
不肖蛇阿久、信長様のしもべとして誠心誠意……
ぬおっ?!!
わあああああ~っ!!
《スポンサーリンク》
4.まさかの…
……兄さん、また夢を見てたの?
今度はどんなストーリーだった?
……。
お、俺の姿が……助かった💦
おいおい、毎度おなじみの夢オチかいな。
また読者の皆さまに怒られるでぇ💧
……!
ダーク、ドウシタノ? ソノカタナ……。
どうせチャンバラに使うおもちゃでしょ?
相変わらず時代劇オタクだよね~、兄さん。
……なぁフィグマ、本能寺の変で織田信長はどうなったんやったっけ?
信長か? あぁ、燃え盛る建物の中で自害したというのが通説やな。
でも、遺体は発見されんかったらしいで。
せやから『信長生存説』もいまだ根強いんや。
もし生きてたら信長が天下を取って、おもろい世の中になってたかもな。
歴史ロマンやなぁ ♬
あぁ、信長公は生きとるで。きっとな……。
……?
信長の消息は諸説入り乱れ、真偽のほどは定かではない。
命からがら逃げ延びて、その後イエズス会の手引きでヨーロッパへ渡った、等々…。
しかし、真相は今もって闇の中である。
最後までご覧下さいましてありがとうございました。
読者の皆さま、また夢で逢いましょう🎵
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ(^.^)/~~~🎌
《スポンサーリンク》