1/12フィギュアの俺には、左手首が外れやすいというハンディキャップがある。
肩とか股関節の可動域もフィグマに比べると少ないから、無理にポーズを作ろうとすると脱臼してしまう。
何度か修理してもらったけど、未だに完治はしてないな。
ブログの画像モデルとしては致命的なことやけど、すなおさんやフィグマに支えてもらいながら、今まで何とか乗り切ってきたんや。
そんなある日のこと…。
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１．どっちが強いの？
いつものように、記事作成のための備品をメンテナンスしてた時のことや。
ふっ…。今日も手間が掛かりそおやな。
なんや？ ハロ。いま忙しいんやけどな…。
それに俺はアムロとちゃうで。ダークやってゆうてるやろ。
アァ、ソウダッタネ、ダーク。
アノネ、フィグマサントスモウヲトッタラ、ドッチガツヨイノ？
ハロのやつ、一番気にしてることストレートに聞いてくるんやからなぁ、もう…。
おう、もちろん俺様や！！ と言いたいところやけどな。
俺は左手のハンデがあるから、本気で闘ったらちょっと勝ち目ないやろなぁ…。
※『【ダークフィグマの毒舌日記：その１】俺がダークと呼ばれた日』より。
ソウカ…。
スナオサンニシュウリシテモラッタライインジャナイ？
あぁ、今までにも何回か修理してもらったんやけどな。
なかなか完治せえへんのや。
だから俺はもぉこのままでええねん。
ダメモトデ、モウイチドタノンデミタラドウ？
アムロ…ジャナカッタ、ダークノツヨイトコロガミテミタイヨ。
「ダメモト」か…そおやな。
じゃあ、すなおさんに頼んでみるか…。
２．左手の再手術
すなおさんからは、意外な言葉が返ってきた。
あぁ、今後の記事のこともあるからね。ちょうど修理し直そうと思ってたところだよ。
ほ、本当ですか！？ 嬉しいッス！！！
でも、完全に治るという保証はないからね。
それでもいいかい？
もちろんですよ！ 少しでも改善すればそれでいいんです。
あ、ちなみにフィグマには内緒にしといて下さいね ♪
内緒に？ まあいいけど…。
じゃあ早速「手術」するか。
２時間にわたる大手術は、無事終わった。
……どうですか？ 良くなりましたか？
ああ。手首のジョイント部を「プラリペア」で加工して、抜けにくくしておいたよ。
それから、肩と股関節も一応メンテナンスしといたからね。
あ、ありがとうございます！！！
ただし念を押しとくけど、完璧に治ったわけじゃないからね。
しばらくの間、無理は禁物 だよ。
（ドキ…）もっ、もちろんですよ…。
３．真夜中の相撲対決
そして、ついにその日は来た。
真夜中の土俵上…たった一番の真剣勝負や。
おい、ハロ。お前があんちゃん（※）を焚きつけたんか？
罪なやっちゃなぁ…。
あいつ、ホンマに大丈夫かいな。
ダイジョウブダヨ。
ダークノオトコラシイタタカイブリヲ、ミトドケヨウジャナイカ。
兄さん（※）、結構意地っ張りだからね…。心配だよ。
フィグマさんも手を抜くようなタイプじゃないし。
※倉庫時代から、ダークのことをゴジラは「あんちゃん」、スヌーピーは「兄さん」と呼んでいます。
どおしても、やるのか…？
あぁ…。
その…ちょっと聞きにくいんやけど…左手は大丈夫なんか？
気にすんな。身体のハンデはな、根性で乗り越えるんや！
そおか…。思い残すことは無いな？
そっちこそ。後悔するなよ！
フィグマは右四つ・左上手で十分の体勢。
それに対して、左手のハンデがある俺は左四つ・右上手が得意や。
そう、俺とフィグマは本来「けんか四つ」。
けどな、今日の俺には秘策があるんや…。
わっ！ １回目の仕切りで立った！！
呼吸ピッタリで五分五分の立合いや！！
み…右四つやと！？
ふふっ✨ さあ、行くで～！！
兄さんが右の差し手を返して、フィグマさんの上手を封じてるよ！
おお、あんちゃん、左上手がっちり引いて万全の寄りや！
あっ、フィグマさんが右の下手を取った。下手投げだ！！
大丈夫や、投げの打ち合いやったら上手の方が有利や！
なっ！？
うわっ、掛け投げや～！！
『掛け投げ（かけなげ）』
説明しよう。掛け投げとは、上手投げ・下手投げなどの投げ技をしかける時に、相手の内股に脚を入れて掛け、その脚を跳ね上げるようにして投げる技である。
柔道技の『内股（うちまた）』とほぼ同様である。
※参考資料：日本相撲協会公式サイト
⇒ハッキヨイ！せきトリくん > おしえて八十二手
のおりゃああぁ～！！！
くっ…！！ 往生際が悪いでぇ。
俺の上手投げで地獄へ墜ちろ～！！！
ガンバッテ～！ アムロ～！！
あ、あほ～！！ 俺は ダーク や～！！！
あ～。兄さん…負けちゃった…。
う～ん、惜しかったな～。
ええ作戦やったけど、右四つではフィグマの兄ちゃんの方が一枚上手やったな…。
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４．壮絶な闘いの末に
俺は負けた。
悔しいけど、やれるだけのことはやった。
闘いの後、なぜか気持ちは晴れ晴れしとった。
ふぅ……。
意表を突いて、あえて右四つ・左上手で来るとはな…。
俺をここまで追い詰めたんは、ダーク、お前が初めてや。
ええ取組やったな。ありがとう。
おう、もおちょっとやったんやけどな。
左手が万全になったら、また俺と闘ってくれ。
こっちこそ、ありがとうな。
イタミニタエテヨクガンバッタ、カンドウシタ！！
おいハロ、お前のせいで力が抜けてしもたやないか。
次は俺の名前まちがうなよ～。
ハハハッ、最高の声援だったね～ ♫
それにしても素晴らしい攻防やったなぁ。
短い時間の中で、どっちも全力を出し切ったもんな。
ええもん見せてもらったわ ♪
どわぁ！！！
ひィ…すなおさん！！
キミたち、こんな時間に何やってんだ！！
おいダーク、まだ無理しちゃダメだって言ったじゃないか！！！
すっすみません！！
ア～ア、ダカライワンコッチャナイ。
ハロ、お前がこの勝負けしかけたんやないか！！
エ、ナンノコト？
ヒトのせいにするんじゃないよ、ダーク！！
あちゃ～…(^_^;)
フィグマさん、いつもこんな感じですか？
あぁ…結局こういうオチやねんな…。
フィグマとダークフィグマの闘いは、いま、始まったばかりである……。（田口 トモロヲ風）
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