このシリーズでは、PTの学生が就職活動を行うに際して「重箱の隅をつつくような、それでいて意外と役に立つ」そんな内容を目指しています(なんのこっちゃですが…笑)。
前回の記事(その1:①まずは電話してみましょう)では、施設側と電話でアポイントを取る方法についてご説明しました。
今回は、見学に当たっての事前準備や心構えについてのおはなしをしたいと思います。
※主に新卒予定者向けの話になりますが、現在すでにPTとして勤めており転職(勤務先変更)を検討されている方にも参考になれば幸いです。
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- 1.施設の概要を把握する
- 2.リハビリテーション部門の概要を把握する
- 3.求人内容(採用条件)を把握する
- 4.交通経路を把握する(できれば下見を)
- 5.質問内容をまとめておく
- 6.服装・持参物などの再確認
- 7.さいごに…貴重な機会を無駄にしない
1.施設の概要を把握する
病院・施設のウェブサイト等を通じて、その施設の概要を事前に把握しておきましょう。
◆診療科目(整形外科・脳神経外科・循環器内科 など)。
◆急性期・回復期・地域包括ケア・療養など、それぞれの病床の有無や病床数。
◆介護老人保健施設や訪問看護・居宅介護支援事業所など、同法人内における
関連施設の有無。
上記は、その病院が地域の中でどのような役割・機能を有しているかを物語っています。
もちろん、貴方が就職先を探す際の検討材料になるものですから大変重要ですね。
2.リハビリテーション部門の概要を把握する
ウェブサイトで、就職したら貴方が所属するであろう「リハビリテーション部門」のページをチェックしておきましょう。
◆PT・OT・STそれぞれの人員構成。
◆リハビリテーションの主な対象疾患。
◆リハビリテーション業務や、職員教育等の概要 などなど…。
これらは各病院のウェブサイトによって掲載内容が大きく異なりますが、ともかく事前に目を通しておいた方が良いのは言うまでもありません。
3.求人内容(採用条件)を把握する
病院・施設ウェブサイト内の採用情報ページや、所属校に届いている求人票に目を通しておきましょう。
◆募集期間。
◆選考方法(応募書類・面接・適性試験など)。
◆給与条件。
◆休暇日数。
◆交通費の支給要件 などなど…。
現段階では「施設見学」ですので、これらは参考程度に留めても良いのですが、見学の際に採用条件(労働条件)について特に質問したい項目があるのなら、しっかりと把握しておきましょう。
例えば託児所の有無など、出産後の就労継続という意味では大切ですよね。
私が以前勤めていた職場では、「女性医師・看護師のみ託児所の利用が可能」というのもありました…。ですので、利用要件については念のため確認しておいた方が良さそうです。
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4.交通経路を把握する(できれば下見を)
自宅から施設までの交通経路はしっかりと把握しておきましょう。
最近はパソコン・スマホで乗り換え経路・所要時間・運賃など簡単に調べることができます。
しかし当日になって天候不良や事故等が生じると、予定通りに到着できなかったりすることも考えられますし、慣れない土地で迷子になることもあり得ます(スマホの地図アプリなどがあれば大丈夫とは思いますが…)。
見学日までに余裕があれば、実際に足を運んで下見しておくとより確実です。
中には最寄り駅を下車後、病院の送迎バスなどを利用する場合もあります。
バス停の場所や乗車方法など、確認しておいたほうが安心ですよね。
5.質問内容をまとめておく
見学当日に質問したいことを、事前に箇条書きにしてメモ帳に記載しておきましょう。
いくつか例を挙げておきます。
◆職員間のコミュニケーション方法(人間関係)。
◆新人教育・職員教育方法。
◆リハビリ対象疾患・治療手技。
◆平均在職年数(離職率)。
◆職員の経験年数・年齢・男女比。
◆既婚者の割合・託児所の有無。
◆有給休暇の取得状況。
◆残業時間。
◆通勤手段(自動車通勤の可否) などなど…。
※実際に質問をする時の尋ね方については、次回の記事で詳しく述べたいと思います(言い方を間違えると「地雷を踏んでしまう」ので…)。
6.服装・持参物などの再確認
スーツなどは、着用に慣れていない人は当日までに必ず袖を通し、ネクタイも結んでみましょう。
革靴・カバン・筆記用具・その他の持参物も、入念にチェックしておいた方が良いです。白衣を持参する必要があるなら、しわが寄っていないか注意しましょう(臨床実習が終わって以降は一度も着ていないでしょうから)。
ヘアスタイルやメイクも重要です。詳しくは就活サイトなどを参考にして頂いたら良いですが、医療施設の見学ですから、清潔感のある髪や爪・ナチュラルな化粧が好ましいことは言うまでもありません。
なんだか子供のことが心配な母親みたいになってきましたが…(笑)。
しかし貴方を子供扱いしたり、バカにしているわけではありません。前回の記事で申し上げた通り、身だしなみや言葉遣いなど接遇マナーの良否で貴方自身が評価されているのです。
施設見学と言えども、第一印象は良いに越したことはありませんからね。
7.さいごに…貴重な機会を無駄にしない
私個人としては、前述の「質問項目の準備」が最も大切だと思っています。
私は以前勤めていた職場でリハ部門長および採用担当者という立場だったので、多くの見学者・応募者の対応をしてきました。
そこで、
「質問はありますか? どんな事でもいいですよ」と促しても、
「いえ…特にありません」
「あ…今は大丈夫です」
と、気の抜けた返答をされて少し困惑したものです。
まぁ私の尋ね方とか、見学者への対応にまずい点があったのかも知れませんし、あまりに魅力の無い職場でガッカリさせてしまった可能性もあるのですが…(泣)。
しかしながら、もし仮に私の職場がその学生にとって「第1候補」でなかったのだとしても、施設見学の機会をひとときも無駄にせず「自身の今後のために良い経験になる」と考えて積極的に行動する(見かけだけでも)のが社会人なんじゃないかな~とも思ってしまいます。
前回も述べたように、所属校の看板を背負って見学に出向いているわけですから、消極的な対応は学校の評判を落とし、ひいては他の学生にも迷惑をかけることになりかねませんよね。
それに、PTの世界は結構狭いものです。
その時は私の職場へ就職しなかったとしても、何かの縁でまた再会したり、一緒に仕事をしたりする機会が無いとも限りませんし…そういう意味でも、「第1候補」以外の施設見学では手を抜く、というようなことの無いようにして欲しいものです。
説教じみたまとめになって大変申し訳ございませんでした…。
次回は、施設見学当日における要チェック項目についてご説明します。
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