すなおのひろば

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◆うむむ、貴景勝が再休場…。内側側副靱帯だけなら、じっくり治せば大丈夫です。焦らないように!(5/21)

【おてがる筋トレメニュー:その8】タオルギャザー…足裏の感覚を高めるために

f:id:sunao-hiroba:20190417111021p:plainおてがる筋トレシリーズ第8弾は、『タオルギャザー』です。

現代人は靴やスリッパ、ソックスを履いて1日を過ごすことが多いため、足の裏の感覚が鈍くなりがちですし、「足趾(そくし:足の指)で地面を掴んで歩く」という必要性も少ないです。

逆に言えば、意識して足趾や足裏に刺激を入れてやることによって「立つ・歩く」といった日常動作におけるバランス能力が高まり、転倒予防にもつながります。

特に中高年以上の方々には有用ですので、ぜひともお試し下さい♬

 

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1.『タオルギャザー』…実施方法

 

1)運動の種類(方法)

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まずはタオルを濡らして、水がしたたり落ちないようしっかり絞って下さい。

そして以下のように準備しましょう。

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やり方は次の通りです。

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①タオルを引き寄せる
 ⇒かかとを支点に、足趾を使ってタオルを引っ張ります。
 ⇒焦らず、少しずつたぐり寄せましょう。

※足趾の動かしかたは、「左右交互」or「両足同時」どちらでもOKです。

②左右均等に引っ張る
 ⇒できるだけ全ての足趾を使うように意識しましょう。
 ⇒なるべく偏りのないよう、左右均等に引っ張りましょう。

③最後までたぐり寄せ…
 ⇒できれば手前まで引き寄せましょう。

④元の位置にもどす
 ⇒元の位置までタオルを広げ、2回目に備えましょう。

※棒状のもの(写真では杖を使用)があれば、腰を曲げなくて良いので便利です。

これの繰り返しです。

2)運動の強度(負荷量)

タオルを濡らすことによって床との摩擦が生じ、適度な負荷になります。
※乾いたタオルで行う人もいますが、かえってやりにくいように思えます。

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筋力の強い人なら、0.25~0.5kgくらいのウェイトを載せてみても良いでしょう。

ただし、「筋力をひたすら強くする」ことが今回の目的ではありませんので、あまりおススメはしません。

特に中高年以上の方々は無理しないで下さいね。

3)運動の回数

まずは、1セット2~3回くらいから始めてみましょう。

そして翌日に関節痛や筋肉痛が悪化しなければ、徐々に5回くらいまで増やしてみましょう。
※「手前までたぐり寄せたら1回」のカウントです。

普段あまり意識して行わない運動ですので、最初は「1回たぐり寄せるのも難しい」という人もいらっしゃることと思います。

それでも2週間くらい継続すると、徐々に運動方法を学習して上手になっていきます。
根気よく続けることが大切です ♪

4)運動の頻度

◆1日あたり:2セット(朝・夕)
 ⇒厳密に決める必要はありませんが、できれば1日1セットは行いましょう。

◆1週あたり:3~4日(1日おき)
 ⇒高齢の方は関節痛・筋肉痛も考慮して、1日おきに行うと安全です。
  慣れてきたら、毎日行うとより効果的です。

 

2.運動の効果

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主に作用している筋肉は、足趾の「グー・パー」の動きにかかわる

◆長趾屈筋・長趾伸筋

◆長母趾屈筋・長母趾伸筋

◆短趾屈筋・短趾伸筋

などです。

※他にも細かい筋群が同時に働いています。
※写真では伸筋群は省略しています。

効果・効能は以下の通りです。

1)神経・筋の再教育→バランス能力向上

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前述のように、足趾の動きには多くの細かい筋群が作用しています。
これらをスムーズに動かすためには、各筋肉に命令を送る神経系との協調作用が重要になります。

「直立二足歩行」を行う唯一の動物であるヒトにとって、足趾・足裏にかかわる神経・筋の協調性はとても大切な要素と言えます。

「筋トレ」を銘打っているこのシリーズですが、筋力トレーニングの効能は単に「筋肉を太くしてパワーを高める」だけではありません。

普段あまり使わない筋肉に対し意識的に刺激を与え、

「神経・筋の協調作用を高め、適切な使い方ができるよう再教育する」

ということも、主要な目的のひとつです。

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そしてそのような効果を引き出すためには、負荷はむしろ軽めで、かつ「少しだけ難しい」ことを繰り返し行う必要があります。

今回の運動はまさに足裏の筋群の協調性向上を主目的とするものであり、高度なバランス能力が必要とされる「立つ・歩く」などの実用性を向上させることができます。

2)感覚受容器への刺激→バランス能力向上

足の裏には、皮膚表面の触覚・圧覚などを検知するセンサー(感覚受容器)が分布しています。

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そして筋肉の中にも、筋線維の伸び縮みの程度を把握するためのセンサーが多数存在しています。

また、関節包(関節を包み込む袋状の組織)や靱帯にもセンサーがあり、曲げ伸ばしなど関節の動きの程度を脳に伝え、スムーズな人体の動きを可能にしています。

筋肉や関節のセンサーがもたらすこれらの感覚のことを「固有受容覚」と呼びます。PTの方々にはおなじみですね。


私たちPTの間では、タオルギャザーは足の骨折やアキレス腱断裂後などのリハビリによく使われています。

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骨折して3~4週経つと、折れた骨が徐々に癒合し始めます。

骨の修復の程度に応じて、足に対し徐々に体重を載せるリハビリをしていくのですが、ギプスなどで1ヶ月も固定していると、患者さんは「足の裏に荷重を掛ける感覚」を忘れてしまいます。

そのため極度に恐怖感を訴える人もいらっしゃいますが、タオルギャザーを荷重訓練の初期から行うことで足裏の感覚器が刺激され、だんだん恐怖心が薄れて体重を掛けていけるようになります。

もちろん、一般の中高年~高齢者の方々にとっても「バランス向上・転倒予防」という意味で有用になります。

3)血液循環促進→足のむくみ予防

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過去記事でご紹介した『かかと上げ&つま先上げ』と同様、この運動は足に溜まった血液・体液を上半身の方に戻す作用も高いです。

足のむくみ・疲労感を軽減させることができ、いわゆる「エコノミークラス症候群」の予防・改善にも繋がるものです。

 

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3.実施上の注意点

 

1)かかとをピッタリつけて行う

かかとを浮かせてしまうと、足趾で引っ張るための支点を作ることができません。

また、足全体で引っ張るような「代償運動(ごまかし運動)」の原因にもなります。

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以下のように、浅めに腰掛けて上半身は少し前傾しましょう。かかとに体重が載りやすくなります。

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2)なるべく左右均等に引き寄せる

たいていの人は小指側をほとんど使うことができず、親指だけで引っ張りがちですが、最初は「全ての足趾を使う」という意識を持って行うだけでも充分です。

また、一般的に利き足は右の人が多いため、左側がうまくたぐり寄せられないことも…。
これもあまり気にすることはありませんが、なるべく左右均等になるよう心掛けましょう。

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骨折等の患者さんの場合、当然ケガをした側だけが大幅に機能低下しているため、片足だけで行うことも多いです。

一般の方々も、明らかに左右差がある場合は片側ずつ行うのもひとつの方法ではあります。

もちろん、左右対称に行うのが理想的なのは言うまでもありません。

3)疾患をお持ちの方は医師に相談を

◆足病変(魚の目・タコ・水虫・潰瘍・巻き爪 など)
◆筋肉痛・腰痛・関節痛
◆動悸・息切れ・めまい・冷や汗 など

f:id:sunao-hiroba:20190417125445p:plain運動後にこれらの症状が悪化するようなら、負荷が強すぎるか、適応外の可能性があります。

特に今回は足趾・足裏を刺激するため、足病変をお持ちの方、また「糖尿病」など足病変を引き起こすリスクの高い方は、充分注意が必要です。

他にも何らかの疾患を有しており現在医療機関にかかっている方は、当該筋トレの適応(やってよいかどうか)について、事前に主治医にご相談下さい。

4)使用後のタオルは日干しで清潔に

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筋トレの内容とは少し外れますが…。

濡れたタオルは、そのまま放置していると有害な細菌やカビの繁殖源になってしまいます。
なので、感染対策の行き届いた病院では医療機器等の清拭に乾燥の不十分な雑巾を使うことはまずありません。

タオル使用後はしっかり洗った後、日干しして充分乾燥させておきましょうね。

 

4.まとめ

◆種類:タオルギャザー

◆強度:濡れタオル・床による摩擦

◆回数:2~3回(翌日の状態に問題がなければ5回程度)

◆頻度:1日あたり2セット(朝・夕)
    1週あたり3~4回(毎日できれば効果的)

◆運動の効果:
 ⇒神経・筋の再教育→バランス能力向上。
 ⇒感覚受容器への刺激→バランス能力向上。
 ⇒血液循環促進→足のむくみ予防。

◆注意点:
 ⇒かかとをピッタリつけて行う。
 ⇒なるべく左右均等に引き寄せる。
 ⇒疾患をお持ちの方は医師に相談を。
 ⇒使用後のタオルは日干しで清潔に。

 


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いかがでしたか?

今までご紹介した全ての筋トレに共通することですが、筋力を強くするというよりも、まずは「少し刺激を入れて、筋肉の使い方を思い出させる」くらいの気持ちで、気軽に始めてみましょう。

皆さまの生活を豊かにするために、この筋トレシリーズが少しでも参考になれば嬉しいです ♪

最後までご覧下さいましてありがとうございました m(_ _*)m

 

 

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