すなおのひろば

中高年の健康と若手理学療法士の未来をサポートするブログ

◆松葉杖に関する記事の作成がなかなか進みません。ブログという表現手段に限界を感じる日々です…(7/17)

【おてがる筋トレメニュー:その9】段差ステップ…協調性・バランス向上のために

f:id:sunao-hiroba:20190420120719p:plain中高年のための筋トレシリーズ第9回は、『段差ステップ』です。

歩行・階段などの直立二足動作においては、高度な「神経・筋協調作用」や、重心移動をスムーズに行うための「バランス保持能力」が求められます。

今回の運動は、それらの身体機能を活性化させる基礎訓練となります。

※「筋トレ」と言いつつも、筋力UPが主目的ではありませんので、若年者には難易度は低めです。特に中高年~高齢の方々で転倒予防を図りたい人に推奨します。

 

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1.『段差ステップ』…実施方法

 

1)運動の種類(方法)

まずは、高さ15~20㎝程度の踏み台をご用意下さい。

台から少し離れて(25㎝前後)立ちましょう。

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一般的な戸建住宅にある階段の高さは大体20㎝なので、それを利用するのも良いでしょう。

手すりがあれば、支えに使うとちょうど良いです。


やり方は次の通りです。

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①右足をステップ
 ⇒太もも(膝)をしっかり持ち上げましょう。
 ⇒骨盤を押し出すような気持ちで、重心を前に移します。
 ⇒載せた足に体重の2/3くらい荷重するようなイメージです。

②元の位置に戻す
 ⇒重心をスムーズに後ろへ戻しましょう。
 ⇒戻す際も、つま先を段差に引っ掛けないよう太ももを持ち上げましょう。

③左足をステップ
 ⇒できれば左右同じリズムでステップしましょう。
 ⇒フォームが崩れない程度の速さで行いましょう。

④元の位置に戻す
 ⇒全ての動作をひとつずつ確実に行いましょう。
 ⇒常に背すじを伸ばして行いましょう。

これの繰り返しです。

2)運動の強度(負荷量)

f:id:sunao-hiroba:20190420111049p:plainご自身の体重が負荷になります。

段差を高くすると負荷が強くなりますが、フォームが崩れるほど高く設定するのはNGです。

平均的な身長の人であれば、20㎝前後が妥当でしょう。

写真のように足首に0.5㎏程度のウェイトをつけて行う方法もありますが、過負荷になる恐れがあるのであまり推奨しません。

3)運動の回数

まずは、1セット10回くらいから始めてみましょう。

最初は回数よりも、ゆっくりと1回1回正しい姿勢で行うことを意識して下さい。

そして翌日に関節痛や筋肉痛が悪化しなければ、徐々に20~30回くらいまで増やしてみましょう。
※「右→左」で1回のカウントです。

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例えば、有酸素運動の代表格であるウォーキングではトータルの運動量(歩数)を優先し、「1日6,000歩」といった運動処方を行います。
歩くフォームなどは、それほど気にする必要はありません(賛否両論ありますが、私は巷で推奨されるこのイラストのような「理想的なウォーキングフォーム」でなくても良いと思います)。

これは、持久力向上を主目的としたウォーキングでは「質より量」の観点が重要だからです。

 


その一方、協調性・バランスの訓練では、疲労でフォームが崩れるまで行うと誤った運動学習を促してしまい、逆効果です。

なので、今回の運動では疲れない程度の回数に留めておきましょうね。

4)運動の頻度

◆1日あたり:2セット(朝・夕)
 ⇒厳密に決める必要はありませんが、できれば1日1セットは行いましょう。

◆1週あたり:3~4日(1日おき)
 ⇒高齢の方は関節痛・筋肉痛も考慮して、1日おきに行うと安全です。
  慣れてきたら、毎日行うとより効果的です。

 

2.運動の効果

ステップする側・支持する後ろ足側、ともに多くの筋群が同時に働いています。

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効果・効能は以下の通りです。

1)神経・筋の再教育→バランス能力向上

ステップする側の足に注意が向きがちですが、当然のことながら段差に足を上げるためにはもう一方の足で「片足立ち」になる瞬間が必ず存在します。

体重を支える⇔足を振り出す

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これを「正確に・素早く・左右交互に」繰り返すには、高度な神経・筋の協調作用が必要となります。

若い人にとってはなにげない動きですが…加齢に伴いこのような能力は徐々に低下していくもので、それが高齢者の転倒の一因となっているのです。

また、後述する「パーキンソン関連疾患」の方々は、リズミカルな交互運動が著しく障害されてしまいます。

骨折後の高齢者やパーキンソン病などの患者さんに対し『段差ステップ』をリハビリプログラムとして適応することも、私のPTとしての経験上多かったです。

2)前後・左右の重心移動促進→バランス能力向上

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パーキンソン関連疾患では、「すくみ足・小刻み・突進歩行」が問題になることが多いです。

これらは疾患特有の姿勢反射障害や筋緊張異常などにより、重心の移し換えや左右交互運動が困難となって生じるものです。

しかし特にそのような疾患がなくても、加齢に伴い重心コントロール能力は徐々に低下していきます。

ただ筋トレと同様、バランス保持にかかわる能力は疾患の有無や加齢にかかわらず、訓練することである程度維持・向上させることが可能です。

この『段差ステップ』は疾患をお持ちの方でも比較的安全に行えるバランス訓練ですので、根気よく続けて頂きたいです ♪

 

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3.実施上の注意点

 

1)足を横から振り上げない

横から振り上げてしまうと左右の対称性が崩れ、協調性向上につながりません。

ステップ&元に戻る動作ともに太ももを真っ直ぐ上げ、つま先を段差に引っ掛けないよう意識して下さい。

どうしても真っ直ぐ上げられないのであれば、さらに低い段差で行いましょう。

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また非対称性を避けるためにも、机・手すり等に体重を掛けすぎないようにしましょう。

持ち手側は、いざという時に転倒を予防できる程度に軽く支えておきます(パーキンソン病の方など、バランス能力が低下している方はある程度しっかり把持しても良いでしょう)。

2)姿勢を正し、骨盤を前に押し出す

言い方は悪いですが…いわゆる「へっぴり腰」で足だけチョコンと載せるのは、重心を前後に移す練習になり得ません。

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ステップした足に体重の約2/3が載るよう、骨盤をグッと前方に押し出す気持ちで行いましょう。

3)踏み台の上には登らない

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台の上に登るのではなく、ステップまでに留めて下さい。

登り切る、いわゆる「段差昇降運動」は太もも・お尻等の筋トレにはなりますが、その反面膝などの関節にも負担が掛かります。
若年者なら大丈夫でしょうが、今回の運動とは目的や対象が異なります。

体重の約1/3は後ろ足へ残し、初期位置からずらさないよう心掛けましょう(かかとが浮くのはOKです)。

4)疾患をお持ちの方は医師に相談を

◆足病変(魚の目・タコ・水虫・潰瘍・巻き爪 など)
◆筋肉痛・腰痛・関節痛
◆動悸・息切れ・めまい・冷や汗 など

f:id:sunao-hiroba:20190130151400p:plain運動後にこれらの症状が悪化するようなら、負荷が強すぎるか、適応外の可能性があります。

他にも何らかの疾患を有しており現在医療機関にかかっている方は、当該筋トレの適応(やってよいかどうか)について、事前に主治医にご相談下さい。

 

4.まとめ

◆種類:段差ステップ

◆強度:自分の体重

◆回数:10回(翌日の状態に問題がなければ徐々に20~30回へ)

◆頻度:1日あたり2セット(朝・夕)
    1週あたり3~4回(毎日できれば効果的)

◆運動の効果:
 ⇒神経・筋の再教育→バランス能力向上。
 ⇒前後・左右の重心移動促進→バランス能力向上。

◆注意点:
 ⇒足を横から振り上げない。
 ⇒姿勢を正し、骨盤を前に押し出す。
 ⇒踏み台の上には登らない。
 ⇒疾患をお持ちの方は医師に相談を。

 


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いかがでしたか?

繰り返しになりますが、今回の運動では協調性の向上&重心移動の促進に重点を置いています。
そのためには疲労でフォームが崩れない程度の負荷・回数に留め、正しい方法で行うことが大切です。

中高年~高齢の方々が住み慣れた地域で安心して暮らしていくために、当ブログが少しでも参考になれば幸いです♬

最後までご覧下さいましてありがとうございました <(_ _*)>

 

 

www.sunao-hiroba.com

 

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