すなおのひろば

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【万能の健康法『ウォーキング』:その3】ウォーキングがもたらす恩恵…①骨・筋肉・心肺機能の強化

f:id:sunao-hiroba:20181013160058p:plain歩くことは人間の身体にどのような作用を及ぼし、それによってどんな「良いこと」をもたらしてくれるのでしょうか。

今回は、地球の重力が人体に与える影響についてご説明します。

 

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1.「重力に逆らう」ことによる効果

魚などの水生動物と違い、陸生動物はつねに重力に逆らって身体を起こし、移動しなくてはなりません。

f:id:sunao-hiroba:20181013163145p:plain人類はサルの仲間のなかではかなり大型の種であり、また「直立二足歩行」が常時可能なのもヒトだけです。

それ故に、脚の骨や脊椎骨には常に長軸方向への負荷が掛かっており、この重力刺激が骨の発育・形成を促します。

からだが大きく背の高い動物ほど、立ち上がったり移動したりする際により頑丈な骨格とそれに見合った強力な筋肉、そして高い心肺機能が必要になるのは当然のことです。

要するに、人間のからだは日常的に立ったり歩いたりすることで骨・筋肉・心臓・肺などの重要器官に適度なストレスが掛かり、それが刺激となって骨密度や筋収縮力・心肺機能が維持されるしくみになっています。

逆に、なんらかの理由でこれらの刺激が少なくなると、各器官は驚くほど早く劣化し、衰えてしまいます。

これを「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」といいます。

活動力の低下した、いわゆる「要介護状態」の高齢者が、骨がもろくなったり体力が落ちたりして、ちょっとした拍子に骨折したり、そのまま寝たきりになったりすることがあるのは、そのためです。

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宇宙ステーションにいる宇宙飛行士は、重力に逆らう必要のない「無重力状態」で長期間滞在しているため、筋肉量は減り、骨に含まれるカルシウムはどんどん血中に流れだしてしまいます。
それを防ぐためにカルシウムやビタミンDを薬で補充するとともに、トレッドミル(ベルトコンベアーのようなもの)にゴムバンドでからだを縛りつけ、毎日ウォーキングやジョギングを行います。

※画像引用元:JAXA|宇宙航空研究開発機構


そうです。ウォーキングがもたらす第一の、そしてもっとも重要な恩恵としては

①骨・筋肉・心肺機能を強化し、動作能力を高める。


ということです。

ちなみに、胃や腸といった消化器官、血管壁なども、「平滑筋」という筋肉の一種で構築されています。

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手足を動かす「骨格筋」や心臓を動かす「心筋」と同様、重力に抗して積極的に働かせることで、その機能を保つことができます。

 

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2.できれば「屋外歩行」を

骨粗鬆症の高齢者に対しては最近、効果的な注射薬なども出てきているようですが、「立つ・歩く」ことに勝る予防法はありません。


骨折後の患者さんから「骨を強くしたいのだけど、やっぱり牛乳が一番いいの?」「魚が嫌いなんだけど、食べたほうがいいかな…」といったようなこともよく尋ねられたりします。

栄養学については私の専門外なので、詳しくは管理栄養士の方にお任せしますが、食事療法と運動療法を適度に組み合わせ、必要に応じて薬物を投与、というのが医療においても基本とされています。

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筋肉の強化についても同様です。サプリメントなどに頼るのも悪くはないのですが、バランスのとれた食事と運動を組み合わせることで、効果は最大になります。

「飲んだり食べたりするだけ」で勝手に骨や筋肉がつくという都合の良いことは、残念ながらあり得ません。


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高齢の方であっても、歩ける人はできるだけ屋外を歩きましょう。

日光を浴びるとビタミンDが活性化され、さらに骨を強くすることができるといわれています。

最近は24時間営業のフィットネスクラブなどもあり、夜中にトレッドミルで歩いたり走ったりしている人も見かけますが、やはり人間も動物ですから、自然のなかで順応しながら適度に食べたり歩いたりといった活動をするのが、もっとも健康に良いのではないでしょうか。

 

 

www.sunao-hiroba.com

 

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