すなおのひろば

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◆930年7月24日、清涼殿落雷事件。清涼殿に落雷して公卿2人が即死し、菅原道真の怨霊との噂が流れる⚡😨

【歩行補助具の基礎知識:番外編】要介護高齢者にお薦めしたい杖&歩行車について

f:id:sunao-hiroba:20210319211122p:plain今回は、私がPTとして勤務している老健・特養で近年よく見かける杖と歩行車について、簡単にご紹介したいと思います。

いずれも性能に優れており普及率が高く、私個人的にも推奨できるものです。

医療・介護従事者、および在宅で介護をされているご家族の方々にも参考になれば幸いです。

 

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1.多脚杖(多点杖)について

ここでは高齢者施設で最近よく使われている多脚杖(多点杖)をご紹介しますが、それに先立ち、T字杖と多脚杖の長所・短所について復習しておきましょう。

過去記事と重複しますがご容赦下さい。

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端的に言えばT字杖は「1本の棒切れ」であるため、体重をグッと掛けたりバランスを取ったりするには不利ですが、取り回しはしやすいです。

対して多脚杖は体重支持性・バランス保持性ともに良好なものの、重く幅広なため操作はしにくくなります。

不安定なものは動かしやすく、安定しているものは動かしにくい。簡単な物理原則ですね。


上記の特徴から、T字杖は比較的軽症の方に用いられます。

一方、多脚杖は歩くのがより不安定な方に適合するのが基本ですが、従来の4点杖ではベース部分の面積(支持基底面)が広すぎて取り回しが難しいケースもありました。

そんな場合にお薦めするのが以下の製品です。

1)可動式小型4点杖

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※画像引用元:島製作所


私がPTになった20年程前は写真左側のような4点杖が一般的でしたが、最近では右側のように脚が短く支持基底面がやや狭いタイプがよく出回るようになりました。

重すぎず幅広すぎず、取り回しもちょうど良い感じです。
支柱が15°ほど可動するのも操作のしやすさに貢献しています。

T字杖では少し心許ないものの、幅広の4点杖までは必要ないという対象者には最適です。そういう「中間レベル」の方々は意外と多いものです。

何でもっと早く製品化されなかったのか不思議。私が先んじて開発すれば良かったです😅

介護保険制度によるレンタル料も、月120円程度とお手頃です。

2)かるがも4点DX

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これも一見すると4点杖のようですが、実際には「T字杖の杖先ゴムが4つ葉のクローバー状に拡がっている」という体裁のようです。

介護保険法上の扱いとしてもT字杖の範疇になるようで、レンタル対象外です。

※画像引用元:フジホーム株式会社


値段は5,300円程度と、一般的なT字杖と比較してもそう高額ではありません。

ゴム部分だけでも販売されているので、パイプ径が適合すればお手持ちのT字杖に付け替えることもできます。

使い心地はなかなか良く、4点杖に勝るとも劣らない性能。

ゴム部分が適度に重いため振り子のように扱えますし、使用しない時は床の上に直立させておくこともできます。

T字杖の取り回しやすさと4点杖の安定性を両立しているという意味では、先に紹介した小型4点杖と同等あるいはそれ以上かも知れません。

 

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2.屋外用歩行車について

これも過去記事でご紹介したものになりますが、特に通所サービスの利用者さんでは下記2機種の使用率が高い印象です。

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※画像引用元:左…島製作所 右…幸和製作所


島製作所さんの『シンフォニー』シリーズ。

幸和製作所さんの『テイコブリトル』シリーズ。

屋内外どちらにも対応し、体重支持性・安定性に優れ、簡易式の座面も使いやすいなどメリットが多く、普及率が高いのも納得できます。

外観もよく似ていますが性能もほぼ同一で、体格に合わせたサイズや色のバリエーションも両製品ともに豊富。

強いて言えば『テイコブリトル』の方がフレームが頑丈そうに見え、折りたたみもしやすいです。


一方、駐車ブレーキ(自動車のサイドブレーキのようなもの)の扱いやすさでは『シンフォニー』に軍配を上げたいです。

『テイコブリトル』では駐車ブレーキがボタン式で、ハンドブレーキとは別体になっています。そのためか、掛け忘れることが多いようです。

たかがブレーキと言うなかれ。とくに駐車ブレーキの掛け忘れは立ち座り時の転倒事故にもつながるものです。


高齢者にとっては、操作系はできるだけシンプルな方が良いですね。

 

3.さいごに

これまでにも繰り返しお伝えしてきましたが、杖も歩行車も消耗の激しい製品ですし、身体能力の変化に応じて機種を変更しなければならない場合もあります。

ゆえに、介護保険でレンタル可能な品目については購入よりも「福祉用具貸与」制度を使うことをお薦めします。

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今回ご紹介した製品はごく一部であり、実際には身体・認知機能を詳しく評価した上で適合判定を行います。

歩行補助具のレンタル手配や選定・調節は、担当ケアマネージャーを通じて福祉用具業者やPT・OTにご相談下さい。

要介護(支援)認定を受けていない人は自費レンタルや購入にならざるを得ず、医療・介護従事者との接点が少ないも知れませんが、福祉用具専門店を利用すれば「福祉用具専門相談員」等が選定・調節を支援してくれるので安心ですよ。


それでは、最後までご覧下さいましてありがとうございました m(_ _)m

 

 

 

www.sunao-hiroba.com

 

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