ある患者さんとの思い出
後編の今回は、腕相撲で上腕骨を骨折した患者さんのお話しです。立て続けに2名の腕相撲骨折を担当したのですが、骨折パターンは類似していても細部の状況は異なります。患者さんにとっては悲劇ですが、PTとしては色々と参考になる事例でもありました。
PT8年目の頃、3名の上腕骨骨幹部骨折の患者さんをほぼ同時期に担当することとなりました。いずれも20代の若い方々ですが、日常の患者さんとの会話を通して色々と考えさせられることが多いものです。今回は最初のひとり、Aさんについてのお話しです。
私がPT経験6年目の頃(2004年)のことです。通勤中のバイク事故で脊髄損傷を負ってしまったSさん(男性・当時33才)のリハビリを担当することとなりました。受傷直後の脊髄損傷の患者さんを担当するのは、私にとっても初めてのことでした。