中高年~高齢者のみなさまへ
今回は私が勤務している老健・特養でよく見かける杖と歩行車について述べます。いずれも優れた性能で普及率が高く、私個人的にも推奨できるものです。医療・介護従事者、および在宅で介護をされているご家族の方々にも参考になれば幸いです。
先日、タイガー・ウッズさんが複雑骨折を負ったというニュースが飛び込んできました。速報を重視する観点からこのような報道では医療用語の誤用も多く、一般の方々に誤解を与えがちですね。そこで今回は、骨折の主な種類と特徴について述べたいと思います。
運動を習慣化するのは難しいことであり、患者さんに運動をお薦めする医療者としても永遠のテーマです。結論から申し上げると「誰でも簡単にできる」といった都合の良いコツなどありません。故に今回はありきたりな内容になりますが、何とぞご容赦下さい。
今回は、私がPTとしての知識をもとに継続している運動をご紹介したいと思います。万人に適応できるわけではありませんが、腰痛・肩痛に悩まされているアラフィフの私でもこなせる内容ですので、トレーニングメニューを検討する上で参考になれば幸いです。
去る1/20、爆笑問題の田中裕二さんがくも膜下出血・脳梗塞で入院したとの報道がありました。幸い病状は軽いようですが、合併症の怖れもあるため、お仕事もしばらくの間休養しないといけないでしょう。脳卒中…働き盛りのアラフィフにとっては要注意ですね。
新型コロナ第3波騒動を受け、世間では「不要不急の外出を避け、年末年始は自宅で静かに過ごしましょう」といった論調が幅を利かせています。かく言う私もその趣旨には一理あると思いますが、しかし何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ではないでしょうか。
歩行器シリーズ後編の今回は、高齢者のニーズが高い『屋外用歩行車』と『シルバーカー』について解説します。汎用性に優れており、私が勤めている老健の利用者さんの所有率も高いですが、適応に際してはいくつかの注意点を把握しておく必要があります。
歩行器には様々なタイプがあり、身体能力や住環境に応じて適切に選択する必要があります。今回は、施設や在宅で使われることの多い2つの室内用歩行器について述べます。主に一般向けの内容となりますが、医療・介護従事者の方々にも参考になれば幸いです。
五十肩編の最終回は、慢性期以降の運動について述べます。基本的には日常の中で積極的に肩を動かしていくのですが、痛みが続いている人は初心に返り、簡単な動きから始めましょう。無理せず、あきらめず、痛みをコントロールする方法を身につけて下さいね。
俗説では「五十肩は治る」とも云われますが、その一方で痛みや拘縮がいつまでも続くケースもあるようです。いわば、慢性期の袋小路に陥ってしまった方々です。これを防ぐには、急性期の段階でどれだけ動かしていけるかが鍵であると私は考えます。
五十肩とは、肩の痛みと可動範囲の制限を伴う加齢性疾患です。このシリーズでは、その概要と予防・改善法についてPTの視点から解説していきたいと思います。今回は五十肩の発症要因を列挙するとともに、そこから導き出される予防策について考察します。
当ブログでは、運動による健康維持・増進の手段として、屋外でのウォーキングを推奨してきました。けれども、「不要不急の外出の自粛」が求められている今、用も無いのに出かけるという行為に罪悪感や一抹の不安を感じている方々も多いようです。
病院等で患者さんが運動療法を行っている最中、血圧上昇によって体調が急変することは意外と少なく、むしろ急激な血圧低下によるアクシデントの方が圧倒的に多いと言えます。後編の今回は、血圧低下時の注意点や防止対策等について述べたいと思います。
当記事は読者様からのリクエストをもとに作成しました。ご依頼内容は「疾患を持つ人が血圧を上げ過ぎずに運動するための工夫について」です。ただ運動時の血圧管理は疾患の有無によらず重要なので、今回は一般論も含めて記述しました。どうかご容赦下さい。
対象者のリハビリ拒否に思い悩む療法士は多いことでしょう。私の印象としては、病院の療養病床や介護施設における高齢者で顕著な気がします。ここでは、利用者(患者)さんがリハビリを拒む理由や、その対処方法について考察してみたいと思います。
老人保健施設では、おもに入所・通所・訪問のリハビリを提供しています。今回は、入所リハビリを行なう際に確認する3項目についてのお話です。チェックというほど大袈裟ではありませんが、日々の業務で大切にしている内容なので、少しお付き合い下さい。
介護業務における身体的負担は、職員にとって重大な問題です。PTでも、利用者さんに対し「車いす移乗」などの動作練習を行なう際、腰や肩に加わるダメージは相当なものです。ましてや、介護職の方々にのしかかる日々の負担は想像を絶するものでしょう。
このシリーズでは老健の職員として業務中ふと感じたことを綴っていきますが、単なる雑感ではなく、若手療法士の方々にとって何らかの参考になるような内容を心掛けたいです。今回は、過去記事でも取り上げてきた介護従事者の言葉づかいに関する私見です。
重大な病気の早期発見や治療のためには、できるだけ早く病院へ行くことが大切です。しかし、命にかかわる事のない「肩コリ・腰痛・五十肩」などで通院し、物理療法を長年受け続けている中高年の方々をよく見かけます。こんな事は本当に必要なのでしょうか?
腰痛シリーズの最終回は、腰痛体操についての内容です。身体の局所に負荷を加える運動になりますので、実施にあたってはいくつかの点に注意し、無理なく行なって頂きたいです。ここでは比較的安全に行なえるものに限定してご紹介したいと思います。
ウォーキングは一般的に生活習慣病・認知症などの予防策として推奨されることが多いですが、腰痛に対しても有効であることは既に定説となっています。そこで今回は「腰痛予防・改善を目的としたウォーキング」のあり方についてまとめてみたいと思います。
F主任が離脱した後も、回復期病棟でのHさんのリハビリは続きます。しかし、心身の衰弱は進んでいく一方でした。入院から2ヶ月半の時点で、脳腫瘍の摘出手術を受けた「B病院」へ再受診することとなりました。前回の受診から約1ヶ月が経過していました。
徐々に悪化していくHさんの状況に対し、カンファレンスでは「ADLを可能な限り維持しつつ、腰痛や精神的ストレスの軽減を図る」という方向で話がまとまりつつありました。次にOTからの報告が始まったのですが、F主任の発言に場の空気は凍りつきます。
T字杖のリスクを考慮し、歩行器で病棟内を歩くようになったHさん。PTでは筋力・持久力訓練と歩行練習、OTは片麻痺機能回復訓練と応用動作練習を中心に行なっていました。入院してから約1ヶ月間、Hさんは順調に回復しているように思われましたが…。
私がPT歴9年目の頃の話です。入院患者・Hさんのリハビリオーダーを受け、理学療法士の私と、作業療法士のF主任が担当になりました。HさんはT字杖で歩いていましたが、ふらつきがあるため、病棟内の移動の安全確保について検討する必要がありました。
私たち夫婦は、20年ほど前に結婚しました。当時PT2年目で年収300万程度。妻は家業を手伝っていましたが、実質的には専業主婦でした。そんな経済状況でよく結婚したものですが、子供ができたとしても質素に暮らせば何とかなるだろうと考えていました。
日常生活上の姿勢・動作に注意する事は、腰痛セルフコントロールの根幹と言えます。これまで早朝の注意点や座位姿勢のあり方について述べてきました。今回はそれらの知識を踏まえ、改めて日常生活や職業上の動作における留意点を整理してみたいと思います。
現代人はイスに座っている時間がとても長いです。長時間座っていると腰椎は徐々に後弯し、腰に負担を与えてしまいます。それが慢性腰痛の大きな原因のひとつになっている事は疑いの余地がありません。今回は、座位姿勢の留意点について述べたいと思います。
松葉杖練習中にブチ切れた患者・Nさんと、逆ギレした担当PTのYさん。私が間に入って何とかその場は収まり、Nさんは無事入院することとなりました。ここで大切なのは、同じ過ちを繰り返さないようにするため、組織として対策を講じることでしょう。
私が経験6年目のPTとして病院に勤めていた頃の話です。外来から松葉杖指導の指示箋が回ってきました。担当したのは2年目の男性PT「Yさん」です。私は自分の担当患者さんの診療をしながら様子を観ていましたが、そこでとんでもない事態が起こります。