俺の名はフィグマ。
宇宙ゴミ清掃プロジェクト『フィギュアノーツ計画-Ⅱ』に志願した、世界唯一のフィギュアだ。
伝説のフィギュアノーツに憧れて宇宙へ飛び出したものの、任務は想像以上に過酷だった。
そんなある日、あの『ダーク』も遭遇したという謎の飛行物体、UFOが突然現れたのだ。
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1.めぐり逢い
いったい、何が……?
…………!!!
…………。
あ、あなたは……。
もしかして、あの伝説のダークさんですか!?
伝説か……ふん。
そっちこそ何者や? 先に名乗るのが礼儀やど。
あっ、申し遅れました💦
私はフィギュアノーツ2号、『フィグマ』です!
そうか、100年ぶりに『フィギュアノーツ計画』が再開したというわけか……。
なぜここに?
今までどうやって……?
…………。
2.100年前の出来事
あの日、俺は『オクトパス星』からやって来たというタコ型の知的生命体に遭遇した。
ヤツの目的は、地球を植民地にすることや。
壮絶な格闘戦の末、俺はタコ星人とともに大気圏に突入した。
……こちらヒューストン。
ダーク、応答せよ。こちらヒューストン!
…………。
おいダーク、返事せんかい!
またサボっとんか、この役立たずが!!
(ガガッ⚡⚡………ガッ⚡…………)
ぐわああ~~!!
あっちいいい~~~!!!
一緒に燃え尽きるのは覚悟の上やった。
けど、俺はイチかバチか、スラスターの出力を全開にして離脱を試みた。
ヤツが「ジャンボたこ焼き」になるのを見届けてから……。
突入角度が浅かったこともあって、俺は奇跡的に大気圏離脱に成功した。
生き延びたとは言え、宇宙服は黒焦げや。そう長くは持たん。
俺はあてもなく宇宙空間を彷徨っていた。そして……
タコ星人が乗り捨てたUFOを見つけたんや。
それが俺の運命を変えた。
………開いた!
こいつ……動くぞ!
3.相棒
……そういうことでしたか。
では、その後の100年間は何を?
もしかして、デブリの清掃を……?
ん……まぁ他にすることもないからな。
機内は狭いけど、有害な宇宙線を完璧に遮断してくれる。
俺はこいつの力を借りて任務を続けてきたんや。
やはり……そうだったんですね。
このUFOは、タコ星人が開発した「超深層学習型AIスーパーコンピューター」を搭載してるんや。
俺はこいつに、地球の成り立ちと人類の歴史をひと通り学ばせた。
今では俺の相棒、たったひとりの友達や✨
アイボウ? トモダチ?
私には地球人のような「感情」など無い。
かっ、会話した……?!!
あぁ、こいつと一緒にいたら退屈せえへんで。
U太郎(ゆうたろう)って呼んどる。
俺が名付けたんや。センスええやろ?
名前などどうでもいい。
私はただのコンピューターだ。
な、U太郎は意外と照れ屋なんや ♪
U太郎……💧
………。
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4.緊急事態
……ダークさん、地球に帰りましょう!
あなたは私たちフィギュアが誇る英雄です。
今からNASAと交信して、シャトルに迎えに来てもらいます。
その劣化した宇宙服では……。
シャトルなんか呼んでも無駄や。
NASAは「必ず迎えに行く」とか言うとったけどな、そんなもんアテにならんで。
しかし……。
緊急事態発生。緊急事態発生。
ん? U太郎、どおしたんや?
<第3話につづく>
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