新型コロナ第3波騒動(あえて感染拡大とは言わない)を受け、世間では「不要不急の外出を避けましょう」「年末年始は自宅で静かに過ごしましょう」といった論調がスタンダードになっているようです。
かく言う私もその趣旨には一理ある(一定の理解は出来る)と考えていますが、しかし何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ではないでしょうか…。
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1.適度な運動は治癒力を高める
私はB型肝炎ウイルスの母子感染により、高校2年の時に慢性肝炎と診断され、しばらく治療を続けていました。
そして最終的にはウイルスに対する抗体ができたことで、主治医からは治癒(軽快?)したと見なされました。
専門的に言えば、「HBe抗体陽性」の状態です。
けれども、これは完全治癒を意味するものではなく、まれに再燃することがあります。
事実、私は毎年の定期健診で必ず肝機能検査に引っ掛かってしまいます。と言っても基準値より少しだけ高い程度なのですが…。
新型コロナの重症化につながる基礎疾患とは、一般的に「がん・糖尿病・高血圧・心疾患・呼吸器疾患・肝疾患・腎疾患・透析を行っている・免疫抑制剤を使用している等」と定義されているようです。
「B型慢性肝炎の既往」がこれに該当するかは微妙ですが、まあ私自身も注意するに越したことはないでしょう。
ちなみに、大気汚染のひどい某都市で生まれ育ったためか、呼吸機能も元来あまり強くありません。
妹は喘息で公害認定を受けていますが、私もそれに近い状態です。
一方、私は健康維持のために数種類の筋トレと屋外ウォーキングを定期的に行っています。
◆筋トレ(1日各1セット)… 週5日
・腕立て伏せ:30回
・腹筋:70回
・かかと上げ:60回
・ハンドグリップ(握力):60回
◆ウォーキング(8,000~10,000歩)… 週4日
かつてB型肝炎を治療していた頃、主治医の方針は頑として
日常生活の範囲を超えた運動は禁止!
でした。
そのため、高校・大学の体育の授業はいつも見学だったのです。
お世話になった医師に反論するのも少し気が引けますが、自身も医療従事者となった今、この方針は少し偏っていたと考えます。
肝機能が比較的落ち着いている時期には、軽い運動を許容しても良かったのではないでしょうか。
病気に負けない身体を維持するためには、適度な運動で自然治癒力・免疫力を高めておくことも大切だからです。
2.廃用症候群とは
手短に言うと 「安静の害」 です。
要は、使わない組織や器官は衰える(or 劣化する)ということであり、人体のみならず万物に共通した法則です。
廃用症候群の一覧を示しておきましたが、実際はこれだけではなく全ての身体機能が低下します。
新型コロナ第3波襲来と騒がれている今、「不要不急の外出を避けましょう」「年末年始は自宅で静かに過ごしましょう」という論調が幅を利かせています。
一方で、第1波あたりではまだ云われていた「屋外で適度な運動もしましょう」といった提言が、最近は影を潜めているような気がします。
感染のリスクをことさらに強調することで、国民、とくに高齢者や基礎疾患を有する方々に慎重な行動を取らせるよう仕向ける。このことを私は全て否定するものではありません(恐怖を煽り過ぎている感は否めませんが…)。
政治家や医師会の偉い人には、それぞれの立場から方向性を発信する責務があるからです。
しかしながら、「虚弱な高齢者が自宅でゴロゴロしていたら、筋肉は1日で1~3%萎縮する」というのもまた事実です。
認知症でもっとも多いのはアルツハイマー型などと云われますが、実態は「脳の廃用症候群」です。
糖尿病患者は新型コロナ重症化リスクが高いとのことですが、糖尿病の合併症は総じて運動不足によって悪化します。
すぐには死なないかも知れませんが、ボディブローのようにじわじわ効いてくるものです。
自宅に閉じこもっていれば安全と言っている人は、重症化や死の危険を伴う病気はコロナ肺炎だけではないことを再認識した方が良いのではないかと思います。
3.この3週間が勝負?
本当にそうであれば、その間はリスク回避の方法として外出自粛もアリですが、“自称”専門家の方々の「いまが大事な時期」「この◯週間(◯ヶ月)が勝負」という説明を何度聴いたことか。
一体いつまで引きこもっていれば良いのでしょうか?
現在のように、街を歩くほぼすべての人々が、互いの距離(ソーシャルディスタンスとか言うらしいです)を十分に保てているにもかかわらずマスクを着用している光景も、私には異常に感じられます。
私はウォーキングの際にはマスクはできるだけ外すようにしています。
年がら年中マスクなど着けていると、鼻腔・口腔・肺などが本来有しているフィルター機能やガス交換作用が損なわれてしまうのではないかという危惧があるからです。
私など老い先短い(?)中高年ですからどうということはありませんが、子供たちが常時マスク着用を強いられているのはちょっと心配になります。
ただちに健康に害はなくとも、数年先とか10年以上後になって影響が現れることもあり得るからです。
「根拠を示せ!」と追及されると困りますが、廃用症候群それ自体は今さら科学的に証明するまでもない既定の事実ですから、PTとして経験的に「年中どこでもマスクはまずいんじゃないの?」と思っているだけのことです。
ましてや、読者の皆さまに私の考えを押しつけるつもりもなく、様々ある考え方のひとつを示しているに過ぎません。
国民の皆さまが自分で選択し判断するための材料を、事実に基づいて提示するのが医療専門職の役割ですから。
4.行動を制限するなら代案を
PT(理学療法士)とは、リハビリテーション医療に携わる専門職です。
患者さんに対するアプローチは、廃用の予防に始まり廃用の予防に終わると言っても過言ではありません。
PTという職業の習性(?)から、人の行動を制限する場合には代案を提案するよう心掛けてきたつもりです。
最近の記事であれば、例えば五十肩でも、
◆腕を真横に上げるのは良くないが、斜め前なら負担が少ない。
◆痛みの出ない動きを自分で見つけ、そこから可動域を拡げる。
といったことを示した上で、急性期からでも動かしていくように…とご提案しました(多くの専門家は「急性期は安静に」と勧めていますが)。
あれもダメ、これもダメでは廃用症候群を助長するだけであり、人間の持つ潜在能力を損なう怖れがあります。
人の「◯◯がしたい」という意欲を引き出し、それを可能な限り尊重するのも大切ではないかと私は思います。
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5.さいごに … with コロナとは?
ともかく、コロナ対策に関する私の基本的な立場は
例年の季節性インフルエンザと同様、標準的な感染対策(手洗い・密接空間でのマスク着用・なるべく3密回避)をしながら、できるだけ普通の生活に近づけていくこと。
過度な自粛は無用。
ということに尽きます。
完璧な感染予防策など求めず、「標準」で良いと思います。
完璧を目指すと廃用症候群による健康被害が増え、経済が停滞し、自殺者もさらに増加します。
with コロナ(コロナとともに生きる?)とはどうあるべきか…。
無責任なマスコミや自称専門家に洗脳されることなく、自分でじっくり考え行動したいものですね。
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