PT養成校において最終学年のこの時期(12月)、就職活動の真っ只中の方々も多いことでしょう(すでに内定している人もいらっしゃるでしょうが…)。
このシリーズでは、PTの就職活動にまつわる話をしていこうと思います。
まずは、希望の職場に応募する前段階で多くの方々が経験する「施設見学」のアポイントを取るまでの流れを、ロールプレイング形式でご説明します。
※主に新卒予定者向けの話になりますが、現在すでにPTとして勤めており転職(勤務先変更)を検討されている方にも参考になれば幸いです。
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1.見学依頼時の電話対応
通常、お目当ての病院・施設に電話で連絡するのが最初のエントリーになります。
社会人経験の無い方だと、電話対応や敬語の使い方など慣れていないので、緊張するものですよね。
まずはファーストコンタクトから…
学生:プルルル…(電話を掛ける)
病院:「はい、◯◯病院でございます」
学生:「わたくし、△△医療大学・理学療法学科4年の▼▼(フルネーム)と申します」
病院:「▼▼様ですね、いつもお世話になっております」
学生:「こちらこそ、いつもお世話になっております。わたくし現在、就職活動を行っておりまして、つきましては貴院の施設見学をさせて頂きたく、このたびご連絡いたしました(差し上げました)。ご担当のリハビリテーション科▢▢様はいらっしゃいますか?」
病院:「リハビリテーション科の▢▢ですね。少々お待ち下さい」
ポイント①:自身の所属を明確にする
自分の所属校、そして就職活動中の学生であることを明確に伝えましょう。
「△△医療大学の▼▼ですが、リハビリテーション科の▢▢様はいらっしゃいますか?」といった言い方だと、先方は「養成校の教員からの電話かな?」と勘違いしてしまいます。
もちろん、学部(学科)名を伝えることも忘れずに。担当者側は、その学生がPTなのかOTはたまたSTなのかを最初に把握したいものです。
ポイント②:担当窓口を事前に把握しておく
就職(見学)担当者がどなた様なのかを、求人票や病院・施設ウェブサイトの採用情報ページなどで把握しておきましょう。
担当窓口が「総務課」とか「人事部」、あるいは「事務長」だったりする場合もあります。
その際は、「人事部の▢▢様はいらっしゃいますか?」とか「事務長の▢▢様は…」と尋ねましょう。
ポイント③:担当者が不在の場合
担当者が不在だった場合は、「それでは、のちほど改めてご連絡いたします。▢▢様は何時頃お戻りでしょうか?」と尋ねましょう。そして指定の時間に遅れることなくもう一度かけ直しましょう。
病院だと普通9~12時、13~17時の間は診療中であることが一般的です。
リハ部門長が担当窓口になっている場合、電話を掛けるタイミングはそれも考慮しておいた方が良いでしょう。
もし先方から「担当者が戻りましたらご連絡差し上げますので、よろしければお電話番号を…」という流れになれば、こちらの携帯番号と、確実に電話を受けられる時間帯を伝えておきましょう。
▢▢:「お待たせしました、リハビリテーション科の▢▢です」
学生:「お忙しいところ申し訳ございません。わたくし、△△医療大学・理学療法学科4年の▼▼と申します」
▢▢:「▼▼さんですね。施設見学ご希望ということでよろしいですか?」
学生:「はい、よろしくお願いいたします」
▢▢:「ご希望の日時はありますか?」
学生:「はい、◯月◯日と▽月▽日は学校の講義が入っておりますので、それ以外の日時でしたらいつでも結構です」
▢▢:「では、◯月◯日◯曜日の15時でいかがですか?」
学生:「◯月◯日◯曜日の15時ですね。承知しました(かしこまりました)」
▢▢:「それではお待ちしています。他になにかご不明な点はありませんか?」
学生:「はい、当日はどちらへ伺えばよろしいでしょうか?」
▢▢:「まずは当院の1F総合受付で、施設見学の旨お伝え下さい」
学生:「承知しました。服装など、特に何か持参するものはございますか?」
▢▢:「普通のスーツでいいですよ。白衣とかは不要です。あとは筆記用具くらいかな」
学生:「はい、承知しました。それでは◯月◯日◯曜日の15時に伺います。よろしくお願いいたします」
▢▢:「お待ちしています。では失礼します」
学生:「ありがとうございました。失礼いたします」
ポイント④:見学日時の確認
上記の対応例では、都合の良くない日時を先に伝えるパターンですが、逆に「◯月◯日、もしくは▽月▽日の◯時頃でいかがでしょうか?」と、都合の良い日をあらかじめ2~3候補作っておき、こちらから提案するのも特に失礼には当たりません。
一番良くないのは、「ええっと…ボクはいつでもいいですけど…」という煮え切らない態度ですね(笑)。
担当者側から先手で「◯月◯日でどう?」と切り出されることもあり得ます。
必ず貴方のスケジュール帳などを傍らに置いて電話対応するようにしましょう。
◆提示された日時は必ず「復唱」して再確認の上、きちんと記録しておきましょう。
ポイント⑤:訪問場所についての確認
意外と忘れがちですが、必ず確認しておきましょう。施設見学の場合、「直接リハビリテーション室まで来てね」ということもよくあります。
当日は指定された訪問先へ伺い、電話と同じように「わたくし、△△医療大学・理学療法学科4年の▼▼と申します。本日15時から施設見学のお約束をさせて頂いていたのですが、ご担当のリハビリテーション科の▢▢様はいらっしゃいますか?」と尋ねましょう。
ポイント⑥:持参物の確認
施設内を巡回する際に白衣の着用を求められることもあります。
そういう場合は臨床実習で着ていた白衣・シューズを持参していけば良いでしょう。
メモ帳などの筆記用具は言うまでもありませんね。
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2.その他(留意点など)
最近はメールでコンタクトを取る場合もあるかと思いますが、特に指定がない限り、電話で直接連絡を取る方が良いでしょう。その方が細かい打ち合わせや質問などしやすいですし、迅速にアポイントが取れると思います。
メールでの依頼方法についてはここでは割愛しますが、ビジネスマナーに沿った文面で、かつ誤字・脱字の無いよう充分注意しましょう(下手をすると、電話で直接会話するよりも「ボロが出る」ことになりかねません…)。
ともかく、
見学や採用の担当者は、電話・メールでの対応や当日の身だしなみなど、全部ひっくるめて貴方の「社会人としての適性」を評価している
と考えて間違いありません。
ちょっとプレッシャーのかかる言い方になるかも知れませんが、所属校を名乗って見学の依頼をする以上、貴方は学校の看板を背負っているわけですから、それ相応の接遇マナーを身につけて行動したいものです。
次回は、施設見学当日までの準備・心構えについてご説明したいと思います。
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