コロナ禍が続く中、健康維持に苦慮している中高年の方々も多いことと思います。
そこで今回は、私がPTとしての知識をもとに継続している運動をご紹介したいと思います。
万人に適応できるわけではありませんが、頑固な腰痛・肩痛に悩まされているアラフィフの私でもこなせる内容ですので、トレーニングメニューを検討する上で何らかの参考になれば幸いです。
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1.自宅で行うトレーニング
ここでは、いわゆる「宅トレ」についてご紹介します。
※優先順位の低いものから順に並べています。
1)ハンドグリップ
ご承知の通り、握力を鍛えるものです。
バネの強度は「中の上」ぐらい。
回数は、左右とも連続70回。
頻度は、1日1セット・週5回行っています。
握力は、全身の筋力ひいては動作能力や健康寿命との相関性が高いとも云われます。
とは言え、握力そのものは20㎏もあれば日常生活に大きな支障はありません。
よって、宅トレとしての優先順位は低めです。
2)バランスボード
立位バランス改善や、筋肉の協調性向上を目的としています。
実施時間は5分程度。
1日1セット・週3回です。
ちなみに当ブログでは、このような特殊な器具を使った宅トレを推奨していません。
このバランスボードも、かつて病院に勤めていた頃、患者さん用のリハビリ器具として購入するに際し「患者さんに使って頂くからにはまず自分で試してから…」という理由で自腹購入したものです。
実際のところ、バランスを養う訓練ならこんなボードなど使わなくても「片脚立ち練習」で十分かと思います。
バランス改善だけでなく、骨粗鬆症予防にもなりますよ。
3)腹筋運動
またまた推奨できない特殊器具の登場です😅
腰痛改善を目的として購入したものです。
※画像引用元:ALINCO - アルインコ
回数は、連続70回。
頻度は、1日1セット・週5回です。
購入当初は連続20回で精一杯でしたが、4年かけて70回まで伸ばしました。
いきなり矛盾したことを申し上げますが、「腹筋が強ければ強いほど腰痛になりにくい」というわけではありません。
詳細は当ブログの腰痛シリーズでも述べていますが、とりわけ「痛み予防のためのエクササイズ」という点では、単純に筋肉を強化すれば良いというものでもないように思われます。
むしろ、関節の全可動域にわたって程よく動かしてやることの方が大切です。
この器具は上体起こし動作を引きバネでアシストしてくれるので、腰椎に負担を掛け過ぎずに行えます(その代わり、腹筋が割れるほどには強化できません)。
【EXG154】 アルインコ イージーエクサ【運動イメージ】
実は、いわゆる「腹筋運動」が腰痛予防に効果があるのかどうか自分の体を実験台にして確かめたかったというのが、購入した真の目的でした。
結果としては「完全に腰痛を克服できたわけではないが、やらないよりマシ」といったところでしょうか。
4)腕立て伏せ
両肩痛の改善を目的として始めたものです。
回数は、連続30回。
頻度は、1日1セット・週5回です。
最初は10回もできませんでしたが、のちに30回まで可能となりました。
この回数まで伸ばすのに、何と10年も掛かりました。
参考までに、年齢別の平均回数を示しておきます。
腹筋運動と同様に自分の体を実験台にしてみたのですが、肩の痛みに対してはかなりの効果がありました。
ただ、私が行っている筋トレの中では一番キツく感じるものです。
中高年および女性の方々には負荷が強過ぎるので、壁腕立て伏せをお薦めします。
5)かかと上げ&つま先上げ
立位バランスと歩行能力の向上を目的として行っています。
回数は、左右とも連続70回。
頻度は、1日1セット・週5回です。
当ブログの筋トレシリーズでも筆頭でご紹介した通り、もっとも優先度の高いものです。
私は片脚ずつ行っていますが、自分の体重が負荷になるので結構キツいです。
初めての方は両脚で10回ぐらいから行うことをお薦めします。
脚のむくみの改善や「こむら返り」の予防にもなりますが、負荷が強すぎると逆効果なので注意が必要です。
2.屋外ウォーキング
言わずと知れたフィットネスの王道、ウォーキングです。
当ブログでも万能の健康法としてご紹介してきました。
歩数は、連続8,000~10,000歩。
頻度は、週4回です。
現生人類が誕生してから約20万年。
歩くことでその勢力を拡げてきた人類にとって、ウォーキングはもっとも効率のよい全身運動であり、私の経験上、健康維持には最適の活動と思われます。
体重コントロール目的で歩く人も多く、私もその一人ですが、10,000歩でも消費エネルギーはせいぜい300kcal程度(低カロリーのコンビニおにぎり2個分)。
歩いてお腹が空くと、食べ過ぎて元の木阿弥という場合も…💦
やはり食事療法と組み合わせなければダイエット効果は見込めないようです。
3.トレーニングメニューの考え方
ちょっと押しつけがましいような気もしますが、この項ではメニュー立案に際しての基本的な考え方をPT目線で述べてみたいと思います。
1)筋トレの負荷設定について
①強度(回数)
目安としては、MAXで連続40回できる運動なら、その半分の20回以下から開始するというイメージ。
「こんなに物足りない運動でいいの?」と感じるぐらいでも十分です。
筋肉を効果的に強くするには、教科書的には
「最大筋力の70~80%の負荷を掛ける」
などと云われますが、これは若年者やアスリート、ボディビルダーに適応する際の方法論です。
中高年・高齢者の方々、また普段から引きこもりがちで運動不足の人などは、もっともっと少ない負荷から始めたほうが安全ですし、継続しやすいです。
回数を増やすタイミングは、早くとも1ヶ月以降にするのが良いでしょう。
開始後2週間ぐらいで筋力が強くなったと感じることもありますが、これは神経系の適応によるものであり、筋肉組織が太くなるのは1ヶ月経過してからと云われています。
②セット数
1日あたり2~3セットできれば理想的ですが、1セットでも効果は十分あります。
私もズボラなので、最近は全メニュー1セットだけです(^^ゞ
③頻度
負荷の軽い運動なら毎日行っても大丈夫ですが、高強度のものは1日おきにやるのが安全です。
週2回以下になると、ほとんど(あるいは全く)効果は見込めないでしょう。コツコツ継続するのが大事ですね。
2)ウォーキングの負荷設定について
①歩数
医療従事者の間でも昔は「1日10,000歩」と云われたものですが、中高年の方々なら最終目標8,000歩で十分かと思います。
1日2,000歩ぐらいの活動レベルの人なら、まずはプラス10分(≓1,000歩)というように、ちょっとずつ増やしていくと良いでしょう。
②頻度
毎日できたら理想的ですが、1日おきでも良いかと思います。
筋トレと同様、1週間の中でまんべんなく行うことが大事です。
「週末のみ10,000歩、それ以外は引きこもり」というのがもっとも良くないパターン。
それよりは「1日2,000歩×週5日=10,000歩」の方が効果的と言えます。
3)ウォーキングは『主食』です
いろいろと述べましたが、純粋に健康維持を目的としてトレーニングを行うのであれば、普通に歩ける人はウォーキングだけでもOKというのが私の経験から導き出された解答です。
歩くことに何らかの支障のある人は、例えば
◆膝関節痛の中高年男性
⇒ウォーキング3,000歩+膝伸ばし+膝曲げ+かかと上げ
◆股関節痛の中高年女性
⇒ウォーキング4,000歩+お尻上げ+股関節外転+かかと上げ
というように、関節保護を目的とした2~3種類の筋トレを組み合わせると良いでしょう。
いずれにせよ、
◆屋外ウォーキングは主食(お米・パン)で、無くてはならないもの。
◆宅トレは主菜・副菜(魚・肉・野菜)で、バランスを整えるもの。
このように考えるのが妥当と思われます。
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4.さいごに
コロナ禍にあっては特別な用事もなく外出するのもためらいがちですね。
ただ、外の空気を吸い日光の下で歩くことによって最大の効能を引き出せることも確かです。
人ごみを避けて標準的な感染対策をすれば、屋外ウォーキングも大丈夫ではないかと思います。
考え方は人それぞれなので強くお薦めするというわけではありませんが、できればウォーキングを中心にトレーニングメニューを構築したいところです。
それでは、最後までご覧下さいましてありがとうございました m(_ _)m
※今回ご紹介した私の宅トレ内容はPTとして実験的に行ってきたものも含まれており、負荷もやや強めです。関節痛など一定のリスクがある方々は、以下のシリーズ記事を参考にして頂けると幸いです。
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