すなおのひろば

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◆九州場所は白鵬が一歩リード。貴景勝も何とか踏ん張ってますが、引き技が多いのは気になります…(11/19)

学校保健活動における理学療法士の役割(研修会参加報告)

f:id:sunao-hiroba:20190912205548p:plain先日、PTとして学校保健活動に関わるための導入研修に参加してきました。

児童・生徒の健康増進に関して、我々PTは国家資格者として重要な社会的役割を担っています。

同時に、現在「供給過剰」と言われがちなPTにとっては、今後の職域拡大という意義も大きいでしょう。

今回は研修会の参加報告を兼ねて、その活動の概要について述べたいと思います。

 

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1.学校保健活動におけるPTの実施内容

 

1)学校保健活動とは

児童・生徒の健康を保持増進し、健康な生活を営む能力を養わせるため学校で行っている種々の活動のことを指します。

2009(平成21)年に制定された『学校保健安全法(旧 学校保健法)』を根拠法としています。

2)運動器検診への協力

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学校保健の一環として運動器検診があり、これは学校医が実施するものです。

しかし学校医は整形外科の医師でないことが多く(内科・小児科医がほとんど)、定められた検診項目への対応が十分ではないのが現状です。

そこで、私が所属する大阪府理学療法士会では、医師会や教育委員会などと協議を重ねた上で、学校医の補助として大阪府堺市内の小・中学校における運動器検診に協力する運びとなったようです。

 

具体的には、学校医の検診に先立ち、

◆PTが所定の運動器機能評価を事前に実施し、その結果を学校医に報告する。

というのが主な役割になります。

 

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学校医が実施する本番の『運動器検診』と区別するため、PTによる事前評価を

『運動器機能予備調査』

と呼んでいます。

※児童・生徒の運動器機能低下の原因を特定し、医療機関での治療や運動療法の適応を考慮するのはあくまでも学校医の役割であり、PTが独自に判断するものではありません。



以下、予備調査票の内容を一部掲載させて頂きます。

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公益社団法人 大阪府理学療法士会HP 学校保健活動特別委員会資料より引用。

※「会員向け情報」のページでしかご覧になれません。何とぞご容赦下さい。



f:id:sunao-hiroba:20191025191652p:plain今回の研修会では参加者同士で模擬演習を体験したのですが、児童・生徒1名あたり30秒でこれら全ての評価項目をこなさなければならないとの事。

何度も繰り返し練習しましたが、どう頑張っても1名あたり45秒くらいが限界でした。結構大変そうです…(^_^;)

3)運動指導

運動器検診の結果を受け、「運動指導が必要」と認めた児童・生徒に対しては、学校医の指示の下、PTが学校へ出向し運動指導を行ないます。

指導内容は以下のようなものです。

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公益社団法人 大阪府理学療法士会HP 学校保健活動特別委員会資料より一部引用。

※「会員向け情報」のページでしかご覧になれません。何とぞご容赦下さい。

4)運動器に関する講習

運動器に関する講習の開催を希望する学校にも、PTが派遣されます。

講義の対象は児童・生徒の他、教員・保護者向けのものもあります。

以下は教員・保護者対象の講義資料の一部です。

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公益社団法人 大阪府理学療法士会HP 学校保健活動特別委員会資料より一部引用。

※「会員向け情報」のページでしかご覧になれません。何とぞご容赦下さい。

 

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2.今後の課題・展望について

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従来より学校保健活動に携わっているPTの多くは、クラブ活動など一部の特別活動への関与であったようです。

学校保健の中でさらにPTの関与を強めるためには、『スクールトレーナー』制度を創設し、学校医・養護教諭・保健体育教諭らと連携して、その事業を推進していく必要があると言われてきました。

ところが、これについては実際のところ遅々として進んでいないというのが現状のようです。


まずは、既に学校医が行なっている事業への協力を通じて、学校現場や医師等との連携を図ることが第一歩であるということを、今回の研修会では再認識させられました。

 


PTは毎年約1万人増え続けており、冒頭で述べたように「供給過剰ではないか」と言われて久しいです。

f:id:sunao-hiroba:20181113200429j:plain「学校保健活動への積極的な関与が必要」と唱えられる裏側には、この供給過剰問題を踏まえた「PTとしての職域拡大」という意図が隠れていることは正直に認めざるを得ないでしょう。

しかし、あくまでも「学校保健活動を通じて広く社会に貢献する」ことが我々PTの本来の役割であるのを忘れてはなりません。

 

そもそも職域の拡大とは、「自分たちが働く場所を確保し、既得権益を守る」ための一方的な理屈と言えなくもないのです。

それでもPTの職域拡大を声高に発するのであれば、子供の健康保持増進・高齢者の介護予防といった重要な社会問題に対し、

「PTはこんなことも出来るんですよ!」


と、具体的な活動を通じて目に見える形でアピールしていく必要があると思われます。

 

今まさにPTはそういう段階にあるのであり、職能団体として責任感と危機感を持って取り組まなくてはならないでしょう。

 

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今回の研修では募集人数80名に対し、20名しか参加していませんでした。

それぞれの職場でご多忙のことと存じますが、今後もっと多くのPTに、学校保健活動に対して関心を持って頂けたらと思います。

 

 

www.sunao-hiroba.com

 

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