すなおのひろば

中高年の健康と若手理学療法士の未来をサポートするブログ

◆松葉杖に関する記事の作成がなかなか進みません。ブログという表現手段に限界を感じる日々です…(7/17)

【理学療法士の就職活動:その4】最初の職場を選ぶ際のポイント

f:id:sunao-hiroba:20190126171703p:plain1~2月のこの時期、PT養成校で最終学年の方々の多くはすでに就職先が内定し、いよいよ国家試験の勉強も佳境に入っていることでしょう。

その一方、「国家試験終了後に就職活動を開始する」という学生さんも、最近はちらほら…。

そこで、ちょっと遅ればせながら「PTとして最初の職場を選ぶなら、どのような点を重視すべきか」について、私見を述べたいと思います。

※前回の記事(【理学療法士の就職活動:その3】施設見学のポイント…③当日の要チェック項目)と重複する点が多いかもしれませんが、併せてお読み頂ければ幸いです。

 

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1.主な重点項目

最初の職場選びに際しての重点項目を大別すると、以下の3つになります。

①人間関係に関すること

 ⇒居心地が良く、長く勤めようと思える。

②職員教育・臨床経験に関すること

 ⇒将来のためにキャリアアップを図ることができる。

③労働条件に関すること

 ⇒心身に負担を掛けず、生活設計が立てやすい。


この3つは互いに関連しあっていることもあり、どれが最優先とは言いにくいものではあります。

それでもあえて順位をつけるなら、やはり「人間関係」が一番大事ではないかと私は考えます。

そういった「働きやすい職場」を選ぶためのポイントについて、以下にご説明します。

 

2.働きやすい職場の条件とは?

 

①人間関係に関すること


◆職員間の人間関係(部署内・外を問わず)

仮に「私は急性期疾患に興味があります」といって急性期の病院を選んだとしても、職場の人間関係がうまくいかないと肝心の職務に情熱を傾けられなくなり、結局は長続きしませんよね。

 部署内:上司・部下、先輩・後輩の関係性

 部署外:医師・看護師など、他職種との連携

f:id:sunao-hiroba:20190126190517p:plainこれらは、PTとしての働きやすさ、モチベーションに大きく影響を与えるものです。

「実際に就職してみないと分からないんじゃないの?」といった尤もなご意見もあるかと思います。

だからこそ、応募する前の「施設見学」が重要になるのです。

※お手数ですが、詳細は前回の記事(【理学療法士の就職活動:その3】施設見学のポイント…③当日の要チェック項目)をご覧下さいませ。

 

◆平均在職年数(離職率

退職の理由は人それぞれですが、働きやすい職場は一般的に離職率が低いです。

これも施設見学時に確認しておきましょう(本当のことを教えてくれたらの話ですが…)。

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「石の上にも三年」といいますが、やはり最初の3~5年はひとつの職場で継続したいものです。

良い職場でも、そうでなくても、それくらい続けていれば「何か」が見えてくるはずですし、将来の自分のためにきっとプラスになることでしょう。

逆に1~2年で辞めた場合、その後の転職やキャリアアップに障害が生じることもあり得ます(当然、履歴書や職務経歴書に記載しなくてはならないので)。

 

◆療法士の経験年数・年齢・男女比

若手が中心の職場は活気があり、楽しいですよね。

しかし、職場における「和気あいあい」と「なあなあ」は、常に紙一重です。

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上下関係があいまいで秩序のない集団は、いつか必ず崩壊します。

壊れるまではいかなくとも、あまりにも統制の取れていない職場は、誰にとっても働きにくい環境になってしまいます。

ベテランや中堅の職員が、パワハラにならない範囲で「少し睨みをきかせている」くらいの方が、組織としては持続するものです。

なので、経験年数や年齢については幅広く分布していればベターでしょう。

男女比についても、偏りが少ないほうがさまざまな患者さんに対応しやすい(セクハラ被害の回避など)と言えます。

 

◆既婚者の割合・託児所の有無

育児と仕事の両立に理解があり、支援体制が整っていることが大切なのは言うまでもありませんね。

 

②職員教育・臨床経験に関すること


◆全般的な教育の充実度

療法士は、自身のことを「職人」と思い込みがちです。

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しかし私は、

PTである前に「医療従事者」たれ

医療従事者である前に「社会人」たれ

すなわち「スペシャリストではなく、ジェネラリスト」であることが求められると考えます。

なので、PTとしての知識・技術だけでなく、

 接遇

 他職種との連携・コミュニケーション技法

 医療安全・感染対策の考え方

 書類の作成方法

 制度(医療・介護保険、個人情報保護、労働基準法など)

上記のように、社会人としてトータルに成長していけるような教育を施す体制があれば望ましいでしょう。

 

リハビリテーションの対象疾患

先述のように、これは最優先項目ではないと私は考えます。

ところが、意外にもこれを前面に出す応募者が多いですね…。

それを否定はしませんが…強いていえば、急性期~回復期~維持期、老健・訪問リハビリなど、同一法人内で幅広く事業展開をしている職場を最初に選ぶのは、なかなか好判断だと思います。

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とくに最初の頃は、

「自分が何に向いているか」

「将来どんな方向へ進みたいか」

が明確でないことも多いです(むしろその方が良いかも…)。

そうであるなら、キャリアの初期段階で「浅く広く」色々な疾患・病期の患者さんを経験しておいた方が、後々のための勉強になるような気がします。

逆に、「私は急性期疾患が苦手だから、それを克服するためにあえて急性期病院を…」というような確固たる意志をもっている人ならば、それはそれで将来のビジョンがあって良いことです。

しかしながら、ひとたび入職すると「患者さんを選ぶ」ことは絶対にできません。それが国民の健康を守る医療専門職というものです。

それを承知で荒波に飛び込む覚悟があるのなら、何も言うことはありません。
ですが、あまり無理をしない方が良いとは思いますね…。

 

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③労働条件に関すること


◆公休の日数・有給休暇の取りやすさ

勉強熱心で真面目な人ほど、この項目を軽視しがちです。

けれども学校とは違い、仕事は何十年と継続していくものですから、無理は禁物です。

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求人票には「4週6休」とか「4週8休」などといった表現がよく用いられていますが、最も重要なのは「年間トータルでの公休数」および「有給休暇の取りやすさ」です。

年間公休数の目安は以下の通りです。

 120日以上:かなり充実している

 110日前後:まあまあかな…

 100日以下:ちょっと少ないなぁ

「4週6休、年間公休101日」これは私が以前勤めていた職場の条件ですが、結構キツい印象でした。

なので、部署長だった私は「有給休暇はどんどん取得しよう」と部下には勧めていました(まぁ当たり前ですが…)。

 

◆残業時間・通勤時間

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これらは施設見学時にしっかりと確認しておきましょう。

長年勤務していくにあたって、残業や通勤にともなう疲労は「ボディーブロー」のように効いてくるものです。

 

◆給与条件

PTは、他の医療従事者と比較してそれほど給与条件が良いわけではありません。


「お金をウハウハ儲けてリッチな生活がしたい人」は、そもそもPTという職業を選択しない方が無難です。

とは言え、やはり最低限の生活設計は必要ですよね…。

大雑把に言って、

 基本給:18万円未満

 年間賞与:3.0(すなわち基本給の3倍)未満

これくらいだと、いくら何でもちょっと少ないよなぁ…という印象ですね。

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あと、初任給がそこそこ良くても、昇給額が少ない…といったケースもみられます。

最初の提示額につられて就職すると、数年後に後悔することも…。

できれば昇給の条件についても確認しておいて下さいね。

 

3.最初の職場を選ぶ際のポイント…まとめ

 

①人間関係に関すること

 ◆職員間の人間関係(部署内・外を問わず)
  ⇒PTとしての「働きやすさ」に最も影響大。

 ◆平均在職年数(離職率
  ⇒キャリアアップの為にも最低3年は勤めたい。

 ◆療法士の経験年数・年齢・男女比
  ⇒秩序維持の為にも、分布に偏りがない方がベター。

 ◆既婚者の割合・託児所の有無
  ⇒育児と仕事を両立させる為の支援体制がある。

②職員教育・臨床経験に関すること

 ◆全般的な教育の充実度
  ⇒「ジェネラリスト」を育成できる体制がある。

 ◆リハビリテーションの対象疾患
  ⇒「浅く広く」経験し、キャリアアップを図る。

③労働条件に関すること

 ◆公休の日数・有給休暇の取りやすさ
  ⇒一定以上の年間公休数・有給休暇の確保。

 ◆残業時間・通勤時間
  ⇒「勤続疲労」を回避する意味でも大切。

 ◆給与条件
  ⇒多くは期待できないが、少な過ぎるのも…。

 


f:id:sunao-hiroba:20181014185423j:plainPTにとって最初の3~5年は、将来優れた医療従事者になるための「地固め」をする時期です。

そういう意味でも、初めての職場を吟味することはたいへん重要です。

 

就職・転職についてお悩みの療法士の方々のために、少しでもお役に立てるような記事をこれからも投稿していけたらと思っています。

最後までご覧下さいましてありがとうございました m(_ _"m)

 

 

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