すなおのひろば

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女性は特に要注意! 脊椎圧迫骨折

f:id:sunao-hiroba:20210723160230p:plainタレントの松本伊代さんが、脊椎圧迫骨折で療養なさっているという報道を目にしました。

中高年の女性は骨密度が低下しやすく、思いのほか簡単に骨折するものです。

コロナ禍で外出自粛が続き、骨・関節への刺激が少なくなりがちな今、急激で負荷の強い運動は注意が必要ですね。

 

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1.脊椎圧迫骨折の概要

松本伊代 背骨を圧迫骨折 運動中に負傷で自宅療養 大阪の番組は3週欠席中】

タレントの松本伊代(56)が背骨を圧迫骨折していたことが22日、わかった。公式インスタグラムで発表した。約3週間前に運動中に負傷したという。

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松本は「ご報告」と題し、インスタを更新。「三週間程前に、お恥ずかしい話なのですが、運動中に無理な体勢をして、背骨を圧迫骨折をしてしまいました。現在、移動をともなうお仕事はしばらくお休みさせていただいております」と明かした。

また、「症状は痛みがあり、とにかく安静にしているほかないようで、入院はせず自宅で療養しております。主治医の先生からは、骨が固まるまでは安静にとお話がありました」と説明した上で、「部位が背骨ということなので無理せず焦らず治して行こうと思います」とした。(後略)


※出典:デイリースポーツ 2021/7/22(木)配信

 


脊椎圧迫骨折については既にいくつかの記事で述べています。

 

 

以下、過去記事と重複しますが参考までに。

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脊椎圧迫骨折は尻もちをついた時に起こることが多いですが、骨粗鬆症の人は明らかな外傷がなくても重力で徐々に潰れてしまうことがあります。「いつの間にか骨折」といわれるものです。

背中や腰が曲がっている高齢女性は、複数箇所に渡って椎体が潰れてしまっていることも多いです。「多発性脊椎圧迫骨折」などと言います。


「背骨が折れた」と聞くと、医療に詳しくない人にはひどい重傷のように思われますね。
脊髄の神経マヒなど起こさないのだろうか…と気になりますが、通常の圧迫骨折では椎体の前側が潰れるので、後方にある神経の束を傷つけることはほとんどありません。

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※画像引用元:骨・関節を“診る”サブノート(吉田和則 著・医療科学社)


上図(②破裂骨折)のように椎体の中央付近が潰れると、骨片(白い△印)が後方の脊柱管に突出し神経を圧迫してしまうこともありますが、まれなケースと言えます。

 

2.過度の前屈・捻転はリスク大

私も病院のPTとして、尻もち転倒や「いつの間にか骨折」の患者さんを数多く担当したものです。
一方、「運動中に無理な体勢をした瞬間…」という人を担当したことは私の記憶にありませんが、まあ十分あり得る話です。

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松本伊代さんがどのような運動をなさっていたのか詳細は不明ですが、おそらくは上体を急激に前屈、もしくは大きく捻ったのではないでしょうか。

 

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前屈すると椎体前側に圧迫力が加わるのは、メカニズムとして理解しやすいと思います。

捻る動作が良くないのは、胸椎の椎間関節は回旋運動を許容しているのに対し、腰椎は屈伸以外の動きを苦手としているからです。

そのため胸椎と腰椎の境目は負担が掛かりやすく、特に圧迫骨折を生じやすい部位となっています。

 

3.リハビリは早期離床が基本

f:id:sunao-hiroba:20210723162950p:plain高齢者の圧迫骨折では、早期離床がリハビリテーションの基本です。認知症や寝たきり、その他の廃用症候群を防止するためです。

体幹コルセットを装着するとか、場合によってはBKP(潰れた椎体にセメントを注入する手術)を施し、翌日からどんどん立位→歩行へと進めていきます。

「骨が固まるまではとにかく安静に…」という松本伊代さんの主治医の指示は、年齢が比較的若く安静による寝たきりリスクが低いからでしょう。

あるいは、神経マヒを起こすおそれのある折れ方だったのかも知れません。

くれぐれも「圧迫骨折はいかなる場合でも絶対安静」などと誤解しないようにして頂きたいです。

 

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4.圧迫骨折を予防するには

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骨は日光を浴び重力を加える活動(歩行など)を続けることによって強度が維持されます。
軽い筋トレも、適度に骨をたわませるので良い刺激となります。

閉経後の中高年女性はエストロゲン分泌量の減少により、骨密度が低下しやすいです。

コロナ禍でメディアや政治家あるいは医療の専門家までが過度な外出自粛を奨励する昨今、女性の骨密度はますます低下するのではないかと危惧されます。

さらに、特定の栄養素を制限するダイエットなども、骨粗鬆症を悪化させる要因です。

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「骨と言えばカルシウム」と思い込みがちですが、骨の主成分のうち、カルシウムは3/4、残りの1/4はコラーゲン(タンパク質)。

鉄筋コンクリートの建物に例えると、カルシウムはコンクリート、コラーゲンは鉄筋です。

建物は定期的にリフォームが必要ですが、骨の造り換えも血液からの各種栄養素で賄われています。

なので、結局どの栄養素が欠けても骨は弱くなります。

 


f:id:sunao-hiroba:20210723160230p:plainコロナ騒動の長期化で国民全体が運動不足になっている現状。
骨の強度を保つためにも、過度な自粛生活はそろそろ卒業して、屋外活動を増やしていきたいところです。

普段からバランスの良い食事を心掛けるとともに、ウォーキングや日光浴などして、不意の骨折を避けたいですね。

それでは、最後までご覧下さいましてありがとうございました m(_ _)m

 

 

 

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