どんな人が理学療法士(PT)に向いているのでしょうか?
そもそもPTという職業には、特有の適性要件(向き・不向き)があるのでしょうか?
ここから3回のシリーズを通して、私なりに色々と考察してみたいと思います。
《スポンサーリンク》
1.「地道な努力」ができるひと
誤解のないように最初に申し上げておきたいのは、
「適性に欠けている人は、はじめからPTにならない方が良い」
ということがこのブログで言いたいわけではありません。
私自身、PTに適しているとは言い難いです。
病気やケガをした人のためにお役に立ちたいという思いでこの職業を選びましたが、そういう純粋な気持ちだけで務まるほど簡単なものではなく、日常業務のなかで適性を試される「厳しい場面」は多いです。
しかしながら、
この記事でも述べたように、「自分に向いているかどうか」も重要ですが、その職業に自分を適合させていくためにコツコツ努力する「粘り強さ」が、あらゆる職種に求められることと思います。
時々、「自分の好きな趣味とか、得意な分野を職業にできたら幸せかも…」と思ってみたりもしますが、実際はどうでしょうか?
それが職業になった途端に、好きなことが好きでなくなる場合もあるのではないでしょうか…。
職業というものが社会に貢献することを目的としている以上、いつも自分が「好き」だとか「楽しい」と思える事だけに集中するわけにはいかないでしょう。
それに得意なことを職業にすれば、周囲からのプレッシャーも相当なものでしょう。
プロ野球の4番バッターが、チャンスの場面でタイムリーヒットやホームランを打つことを常に求められるように。
そういう意味では、好きなことや得意なことは職業にせず、趣味の範囲に留めておくのが普通の人にとっては幸せなのかも知れません。
逆に、あまり得意ではないことをあえて職業にして、苦しみながら地道に努力し、ひたすら自分を磨くのもまた「人生の醍醐味」と言えるのではないでしょうか。
医療従事者の大先輩である野口英世も、「人一倍努力できる人、それが天才だ」というようなことを言っていたそうです。
《スポンサーリンク》
2.誰でもなれる(?)理学療法士
PTは、厚生労働大臣が認可する国家資格です。
ちなみに2018(平成30)年の国家試験では、9,885人が合格しました。
そして合格率は81.4%でした。この10年間、だいたい80~90%の間で推移しているようです。
この数字から受ける印象としては、「それほど“狭き門”ではないんだな…」ということでしょう。
もちろん、受験資格を得るためには高校卒業後3~4年制の専門学校・短大・大学等に通わなくてはならず、進級の過程である程度ふるいにかけられるのですが、それにしても大半は卒業でき、国試合格率も8割以上、おおよそ毎年1万人程のPTが誕生する…となれば、特別な適性が無くとも、普通に努力すれば誰でもなれるのがPTであると言えなくもありません。
少なくとも厚生労働省(すなわち国の行政機関)は、プロ野球の1軍選手や大相撲の幕内力士のようなごくひと握りの天才集団を求めているのではなく、
「一定以上の知識と技術を有する職能集団」
いわば「普通のスペシャリスト」を数多く作りたいと意図しているように思われます(これが国の政策として正しいかどうかはともかく…)。
いずれにせよ、ただPTになるだけでよいのなら客観的に見てそれほど難しいものでないことは明らかですが、国民の健康を守るという医療従事者の使命を十分に果たすためには、いったいどのような適性を磨くことが求められるのでしょうか?
いつもながら前置きが長くなってすみません。
次回から本題に入りますので、しばしの間お待ち下さい…。
《スポンサーリンク》