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【万能の健康法『ウォーキング』:その8】ウォーキングの実施方法…①運動処方の設定(種類・強度)

f:id:sunao-hiroba:20181109191846p:plainそれでは、いよいよウォーキングの実施方法についてご説明していきます。

以前の記事(その6:①医師への確認事項)で、運動処方の4要素(種類・強度・持続時間・頻度)について少し触れましたが、ここからはその概念に沿って具体的な設定方法を述べたいと思います。

 

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1.運動の種類:まずは普通に歩きましょう

運動処方で最初に設定すべきは「種類」ですが、ここでは当然「ウォーキング」です。
では、どんな歩き方をすれば良いのでしょうか?

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結論から言えば、「まずはあなたのペースで普通に歩いてみましょう」となります。

速いスピードで歩いたり、平地よりも坂道や階段などを組み合わせたコースを歩いたほうが運動の効果という点ではより優れているという理由で推奨されることもあります。

しかし、歩き慣れていない人や中高年以上で疾患をお持ちの方にはそれなりのリスクを伴いますし、なんといっても長続きしません。

運動を習慣化させたいのなら、最初は無理しないことです。

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右のイラストのように、「背すじを伸ばし、歩幅を大きく、肘を曲げて前後に大きく振るのがもっとも効果的」とか、なかには「正しいフォームで歩きましょう。ダラダラ歩いても効果はありません」といったご意見もみられますが、PTとしての私の経験、および一個人としてウォーキングを日課としている立場から言わせていただければ…

「正しいフォームなど有ってないようなもの。それほど気にする必要なし」


そうです、変にリキむ必要はありません。

歩くフォームとかスタイルといった「歩行の質(格好よさ)」よりも、まずは1日何千歩とか、1週間で合計〇〇回、といった「歩行量と頻度」の方がはるかに重要なのです。

1ヶ月くらいウォーキングを継続できて、「さらに高いレベルを目指したい」といった方は、強いていえば、心もち歩くスピードを速めにしてみたら良いです。

速く歩くことを意識すれば、歩幅が広がり腕の振りも大きくなり、必然的にイラストのようなフォームに近づくことでしょう。


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余談ですが、歩く場所については大きな公園を取り囲む遊歩道とか、整備された河川敷などが近所にあれば良いですね。

理由としては、交通事故のリスクが少ない、信号などで引っかかって自分のペースを乱されることが少ない、休みたい時はすぐにベンチなどに座れる、空気がよく景色が楽しめる、などが挙げられます。

 

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2.運動の強度:「楽に感じる~ややきつい」「となりの人と会話しながら歩ける」

運動の強さについては、専門的には心拍数や年齢などを指標に、計算式を用いて強度を算出する方法などもありますが、日常のなかで使うには少し難しいので、ここでは「本人の感じている自覚」を基準にした方法を以下にご紹介します。

表1は「自覚的運動強度指数」といって、心疾患や呼吸器疾患のリハビリのような、病院の臨床場面でも用いられている指標です。

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本人の自覚として「楽に感じる~ややきつい」であれば、想定される最大運動強度の35~50%程度となり、心拍数は(個人差はありますが)だいたい120拍/分ぐらいの「ちょうど良い強度」に該当するだろう、ということです。

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※歩くことに慣れていない方は、最初は「かなり楽に感じる」ぐらいから始めましょう。



また、「少し汗ばむくらい」とか「ちょっと息が弾むが、となりの人と会話しながら歩ける」といった指標も使われます。

これら本人の主観を用いた基準は、意外と妥当性があるものです。

便利であると同時に、心拍数などの「数字」だけに頼るよりもむしろ安全ですので、ぜひご活用下さい。


他にも「METs(メッツ)法」といって、運動時の代謝量・体重・運動時間などを計算式に入れて消費エネルギー(kcal)を算出する方法もあります。

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PTやアスレティックトレーナーにとっては一般的な方法なので、「どうしてMETs法の説明をしないの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかも知れません。

しかし最初に小難しい計算式などを提示するとそれだけで面倒臭く感じてしまい、結局は運動を継続して頂けない…といったことも多々あります(実際、私は臨床現場でMETs法を患者さんに適応したことはほとんどありません)。

ですのでここではあえて詳細は述べませんが、興味のある方はご自身で調べてみて下さい。


キリの悪いところで中断して申し訳ございません… m(_ _;)m

次回は、持続時間(歩数)と頻度の設定についてご説明します。

しばしお待ちくださいませ…。

 

 

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