接遇ロールプレイング第2弾は、「担当者不在の場合の外線電話応対」です。
医療専門職にとってはやや馴染みのないシチュエーションではありますが、だからこそ意識して練習しておく必要があるでしょう。
もし読者様の職場でもお役に立ちそうなら、コピペして適宜加筆・修正し、自由にお使い下さいませ。
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1.『接遇ロールプレイング②』全体の流れ
◆リーダー:おはようございます(敬礼)。
⇒全員:「おはようございます(敬礼)」
◆リーダー:
ただ今より、接遇ミニ研修を始めます。
本日は『接遇ロールプレイング』です。
私が、今から電話の相手役を演じます。
皆さんは、その電話に応対する職員の役割を演じて下さい。
本日の職員役は…◯◯さん、お願いします。
※リーダーの横など、全員から見える場所に登壇してもらいます。
※電話・ペン・メモなどの小道具を用意しておきます。
状況を説明します。
外線電話が掛かってきました。しかし、指名された担当者は16時頃まで外出しています。
適切に電話応対しましょう。
それでは、始めます。
◆リーダー:電話が鳴ります(※◯◯さんは、呼出しコール3回で電話を取りました)。
⇒◯◯さん:「お待たせ致しました。すなお病院 リハビリテーション科の◯◯です」
◆リーダー:「はてな医療福祉大学の教員の△△と申します。いつもお世話になっております」
⇒◯◯さん:「こちらこそ、いつもお世話になっております」
◆リーダー:「リハビリテーション科の科長の◇◇様はいらっしゃいますか?」
⇒◯◯さん:「◇◇ですね。ただ今確認致しますので少々お待ち頂けますか?」
◆リーダー:「はい、お願いします」
⇒◯◯さん:(電話は一旦保留に…)
⇒◯◯さん:「お待たせ致しました。あいにくですが、科長の◇◇はただ今外出しております。16時頃には戻る予定ですが、お急ぎのご用件でしょうか?」
◆リーダー:「いえいえ、急ぎではありません。来月から貴院で受け入れて頂く実習生の件で、打ち合わせの日程を調整したいと思いまして」
⇒◯◯さん:「かしこまりました。それでは戻り次第、こちらからご連絡致しましょうか(折り返しご連絡差し上げましょうか)?」
◆リーダー:「済みません。お手数ですが、よろしくお願い致します」
⇒◯◯さん:「恐れ入ります。お電話番号を伺ってもよろしいでしょうか?」
◆リーダー:「はい、03-×××-××××です」
⇒◯◯さん:「ありがとうございます。念のため確認させて頂きます。お電話番号が03-×××-××××。はてな医療福祉大学の△△様でいらっしゃいますね。◇◇に申し伝えておきます。私(わたくし)、◯◯が承りました」
◆リーダー:「よろしくお願い致します」
⇒◯◯さん:「お電話ありがとうございました。それでは失礼致します」
◆リーダー:
▢▢さん、今のロールプレイング、どうでしたか?
※職員1~2名を指名し、感想・意見などを聞く。
※最後に、リーダーからの意見・総評を添える。
状況に応じた適切な接遇ができるよう、繰り返し練習しましょう。
それでは、本日の接遇ミニ研修を終わります。
今日も1日、よろしくお願いします(敬礼)。
⇒全員:「よろしくお願いします(敬礼)」
<以上>
2.実施上の留意点
基本的な注意点は前回の記事(接遇ロールプレイング①)と同様です。
1)シナリオの進め方
例によって、リーダーのみ台本を見ながら行います。
スタッフ側は、本番で台本のカンニングはできません。
ただし、完全なぶっつけ本番では難しいでしょうから、事前の台本確認は出来るようシナリオのデータをPCファイル等で常時公開しておきます。
意識の高いスタッフなら、きちんと予習した上で研修に臨むと思われます。
それでも模範演技ができる人は少ないので、リーダーはスタッフの出方に応じてアドリブを交える必要があるでしょう。
どうしても次のセリフが出てこず、詰まってしまう場合はリーダーが適宜「助け船」を出してあげましょう。
2)当シナリオの評価ポイント
①呼出しコールは「3回未満」で受ける
長々と相手を待たせるのは失礼にあたりますが、かと言ってコールが鳴った途端に取るのも拙速とされます。
医療従事者はプロの電話オペレーターではありませんので、あまり厳密にするのもどうかと思いますが、だいたい1~2回で取るのが適当のようです。
コール3回以上で取った場合、この事例のように「お待たせ致しました(~致しまして申し訳ございません)」と一言添えます。
②保留ボタンは使えているか
意外と活用できていない人が多いものです。
また、保留で長々とお待たせするのも良くないですね。
③不在の理由を端的に伝えられているか
不在の理由説明は、状況により様々な表現の仕方があります。
◆ちょっと席を立っている(すぐに戻ってくる)場合:「席を外しております」
◆いま外出したばかりで、しばらく戻って来ない場合:「外出しております」
このように使い分けても良いでしょう。
食事休憩や、ちょっとトイレに行っている場合など、当然ですがそのまま事実を伝えるのは良くありませんよね (^_^;
「席を外しております」は具体的な理由を述べているものではありませんが、使いやすい(差し支えない)表現と言えます。
ちなみに外出から戻る時間も、部門内のスタッフ同士できちんと把握し、正確に伝えられるようにしておきたいものですね。
また余談ですが、担当者が休暇を取っている場合、言葉づかいとしては
◆悪い例:「本日◇◇はお休みを頂いております」
◆良い例:「本日◇◇は休みを取っております」
このようになります。
④代替案を提示できているか
今回の事例では、担当者が戻り次第こちらから電話することをご提案しましたが、
◆急ぎの用件の場合:「よろしければ私が代わりにご用件を承りましょうか?」
◆特に急ぎの場合:「至急連絡を取り、折り返しお電話するよう申し伝えますが、よろしいでしょうか?」
状況により、上記のような対応も必要になります。
相手の立場を考慮し、少なくとも急ぎの案件か否かは確認しましょう。
今回のように折り返し電話するのであれば何時頃までにご連絡すべきか、相手の都合を確認しておくのも良いでしょう。
⑤伝達事項をメモできているか
◆電話が掛かってきた日時
◆相手の所属・名前
◆伝言の内容
◆折り返しの連絡が必要かどうか
◆相手の連絡先
これらを正確に◇◇科長へ伝達するには、きちんと電話口で復唱して相手に確認の上、メモに取っておく必要がありますね。
⑥言葉づかい
◆「いつもお世話になっております」
⇒ビジネスマナーとして自然に表出できるようにしておきたいものです。
◆「科長の◇◇は外出しております」
⇒ここでは自部署の上司を「◇◇さん」などと呼ばないのが礼儀です。
◆「かしこまりました」「申し伝えます」「承りました」etc…
⇒普段あまり用いない表現なので、自然に使えるように練習しておきましょう。
リーダーは総評の際に上記の評価ポイントについて言及し、演技の中で不十分な点があれば説明を加えましょう。
明らかな間違いはその場で訂正し、全員で共有することが大切です。
逆に、上手に応対できていた点については褒めてあげましょうね (^_^)♪
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3.さいごに
実は私自身も、電話応対はとても苦手です(^^ゞ
電話では表情が見えませんし、相手を待たせる事にも制約が掛かるので、つい焦ってしまいますよね。
担当者不在の場合、状況によって対応は柔軟に変化させなくてはなりませんから、さらに慌ててしまいがちです。
それ故に、なおさら意識して平素から訓練しておく必要があるのではないでしょうか。
ロールプレイングはまさに最良の練習方法であると思いますので、ぜひお試し下さい。
最後までご覧下さいましてありがとうございましたm(_ _)m
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